SAS Institute Japanは3月29日、リスクシナリオへの対策を講じる金融機関を支援するためのソフトウェアの最新版「SAS Stress Testing」スイートを発売すると発表した。さまざまなリスクシナリオへの対策を講じる金融機関を支援する。
欧米における金融機関は、米国連邦準備制度(FED)や欧州銀行監督機構(EBA)が定期的に実施するストレステストと、マーケットや経営陣からの要求を受けて実施する特定のリスクシナリオに対するストレステストの両方に備えることが求められる。
日本ではまだ欧米のような明確な規制には至っていないものの、金融庁の監督、検査方針に含まれるなどストレステストへの要求は確実に高まってきている。
同スイートは、「SAS Stress Testing Workbench」「SAS Risk Modeling Workbench」「SAS Model Implementation Platform」「SAS Model Risk Management」という、相互に補完し合う包括的な4つのソフトウェアで構成しており、さまざまな規制シナリオや経済シナリオに対して迅速、かつ効果的に対処するための環境構築を支援する。
各ソフトウェアの概要は以下の通り。
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SAS Stress Testing Workbench:ストレステストの自動化/最適化を実現
同ソリューションでは、リスク管理部門、財務部門、経理部門にわたるストレステスト結果の統合を効率的かつ透明性のあるものにできる。分析担当者は、ウェブベースの環境を通して中央ハブからストレステスト、プロセス全体を管理できるという。
また分析担当者は、モデルの検討と実行、結果の集計、他のデータソースとの統合、ならびにビジネスや各種規制、会計ルールの財務諸表への適用などを実施できる。さらに、インターフェースや各種コントロールも監査適合性、透明性、再現性を提供する。
SAS Risk Modeling Workbench:管理されたモデル開発環境を提供
規制当局の検査に耐えうる健全なモデル開発プロセスの構築を支援。分析担当者はストレステストに必要なさまざまなリスクモデルの開発、検証、計測をビジュアル環境内で実行できる。
SAS Model Implementation Platform:効率的なモデル実装を実現
モデル計算エンジンと連動したリスクモデルインベントリを提供するとともに、モデルの実行を高速化する。ソリューションには多種多様なリスクモデルの迅速かつ効率的な統合を可能にするSAS High‐Performance Riskエンジンを使用しており、これらのモデルを再コーディングする必要なく本番環境で稼動させることが可能という。
SAS Model Risk Management:モデル開発からモデル実装まで包括的に管理する仕組みを実現
経営幹部や規制当局に迅速かつ正確にリスクエクスポージャーを報告するために必要なモデルリスクのライフサイクル(モデルの開発、実装、利用および、検証ポリシーなど)を明確かつ適正に管理する。