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垂直統合型製品の進化と勘所

垂直統合型システムの引き合いが増えている理由

山田竜司 (編集部)

2016-04-28 07:00

 サーバやディスクストレージ、ネットワーク機器、ソフトウェアを統合した「垂直統合型システム製品」の引き合いが強まっている。IDCの2015年の調査では、市場は堅調であり、2014年は前年比15.5%増の393億7500万円。2014~2019年の年平均成長率(CAGR)は10.3%という結果だった。

垂直統合型製品の引き合いが増えている理由

 垂直統合型システム製品が求められるのはコストとビジネス環境の変化が大きい。コスト面では、管理と性能のコストパフォーマンスがいい点があげられる。サーバやディスクストレージ、ネットワーク機器、ソフトウェアをバラバラに導入すると、機器やソフトウェアの購入コストが割高になりがちなことに加え、管理が煩雑になることが多い。オンライン証券における取引量の急増やマーケティングキャンペーンによる突発的なトラフィック増といったビジネス面の変化に対しても、サーバ、ネットワーク、ストレージといったリソースが一元管理できているため、柔軟なキャパシティの増強といった対策を適切に実施できるという特徴がある。

垂直統合型製品の評価基準

 こうした垂直統合型システム製品の評価基準はどこにあるのか。IDCは調査から、ポイントとして「セキュリティ」「主要データセンターのネットワーク機器との互換性」「災害対策」を挙げている。

 垂直統合システムでは、サーバリソースを複数の仮想環境に分けた上で、各仮想環境上でアプリケーションが稼働することになる。特に、データベース統合の場合、もともと散在していた複数のデータベースを1カ所に統合することになる。


垂直統合型製品のメリット(統合型システム製品)の用途:IDC提供(複数回答。「導入済み」とは、検討段階が「すでに本番環境で導入している」を表す。「導入予定あり」とは「現在、導入に向けて評価中である」「現在、試験運用中である」「12か月以内に本番環境で導入する予定である」を表す )

 このため、垂直統合システムが情報セキュリティ上の脆弱性を突かれて攻撃を受け、システムが停止してしまったといった場合の影響範囲は非常に大きくなってしまう。「セキュリティ」や「災害対策」がことさら重視されるのはここに理由がある。

垂直統合型製品のメリットと用途

 垂直統合型システムの導入メリットが、サーバ、ストレージ、ネットワークなどの機器が納品時から構成済みであることは前提として、導入メリットで最も大きいのは(サーバやディスクストレージ、ネットワーク機器などをバラバラに管理していた際に必要だった)「システム管理ツールの削減」という結果が出ている。

 一方、主な用途とは「クライアント仮想化」「特定のサーバアプリケーション用基盤」「全社共通IT基盤」「クラウドIT基盤」の4つであり、これらは全体の4割を超えるという。

 クライアント仮想化の用途としての垂直統合型システムは2014年4月のWindows XPのサポート終了を契機とし、デスクトップ仮想化の基盤としての導入が進んだ。

 特定サーバアプリケーション用の基盤としては、従来のサイロ化したシステムでソフトウェアの更新などにかかっていた工数を削減するために導入しているという。クラウド基盤としてインテグレーテッドシステムを検討する企業が相対的に増えているという調査もある。

有望な「ハイパーコンバージドシステム」

 垂直統合システムで特に注目を集めているのは「ハイパーコンバージドシステム」製品だ。


Nutanixの筐体

 ハイパーコンバージドシステムの多くは、サーバやストレージの構成を、それぞれソフトウェアで定義できるようにしている。サーバの仮想化では、VMwareの仮想化ソフト「vSphere」やMicrosoftの「Hyper-V」などが利用できる。ストレージは、ソフトウェア制御できる“ソフトウェア定義ストレージ”(software defined storage:SDS)により構築され、サーバローカルの複数の物理ディスクを組み合わせてプール化し、ハイパーバイザに提供できる。サーバとストレージをともにソフトで統合管理できる機能を持ち、2U程度のラックにサーバとストレージ機を収めている。このため設置スペースを5分の1から10分の1程度にでき、電力や設置コストを削減できる。

 また、必要に応じて仮想マシンを追加することによる迅速なスケールアウトも可能である。例えば、仮想デスクトップ(VDI)での利用価値が高いと言われている。従来のVDIでは、社員数など必要な人数分の環境をあらかじめ購入する必要があり、それがコスト増につながっていたからだ。

 ストレージ容量が少なくなり次第、イーサネットを経由し数分で追加できるのも、ハイパーコンバージドインフラの利点だ。すでに仮想環境が構築されて導入できるため、仮想化システムでストレージを追加する場合もサーバと同様に、ソフトウェアの設定で必要な量の仮想ストレージ環境を構築すればよく、リソースの再設計を特に考えなくていい。

 各社、ハイパーコンバージドシステム製品のリリースが相次いでいる。具体的には、NutanixVmwareシスコHPレノボなどだ。各社、営業目標として高い数値を挙げており、ハイパーコンバージド市場は垂直統合型製品市場の中でも特に成長が期待できると言えるだろう。

 今回、垂直統合型システムを特集することにする。代表的な製品ベンダーを集めた座談会なども開催し、随時公開していく予定だ。

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