JDAソフト、インテリジェントフルフィルメントに注力--オムニチャネルに対応

大河原克行 2016年04月25日 18時47分

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 JDAソフトウェア・ジャパンは4月25日、2016年度の日本での事業戦略を説明。従来から提供している需要予測や計画、生産製造計画などのサプライチェーン管理(SCM)システムに加えて、新たに小売業、製造業向けの在庫・倉庫管理システム、要員計画・管理システム、輸配送計画・管理システムを4月以降順次、国内で販売を開始する。

 2016年度は既存の製造業や小売業を中心に倉庫管理システム(Warehouse Management System:WMS)を提供。4月からWMS専門部隊を組織化。パートナー企業との協業を重点戦略として推進する姿勢も明らかにした。2018年までに15社の獲得を目指す。

JDAソフトウェア・ジャパン 代表取締役社長 尾羽沢功氏
JDAソフトウェア・ジャパン 代表取締役社長 尾羽沢功氏

 2015年11月に代表取締役社長に就任した尾羽沢功氏は、「JDAの強みはサプライチェーンを一気通貫で提供できる点。だが、これまで国内は“インテリジェントフルフィルメント”の領域に力が入っていなかった反省がある。これは米国では売上高の3割を占める領域であり、ここに力を注ぐことでエンドトゥエンドでのソリューションを提供できる体制が整う。今までは計画系ソリューションを中心に提供してきたが、マーケットに根ざしながら、新たに実行系ソリューションを提供することで成長戦略を描くことになる」とした。

ソニー「BRAVIA」事業黒字化に貢献

 JDAは1985年に設立。サプライチェーン、製造計画、小売計画、ストアオペレーション、コラボレーティブカテゴリマネジメントなどを提供し、全世界4000社への導入実績を持つ。小売業や消費財メーカーではいずれもトップ100社のうち78社で導入しているという。

 「8時間ごとに新たなJDAのシステムが稼働。Gartnerのマジッククアドラントでは、サプライチェーンの5部門でナンバーワンとなっている。小売業や製造業向けに特化したサプライチェーンの専門企業」

 2006年にはManugistics、2010年にi2 Technologies、2012年にはRedPrairieをそれぞれ買収。米アリゾナ州に本社を置き、全世界の従業員数は5200人、売上高は10億ドル(約1100億円)、そのうち3分の1がソフトウェア、3分の2がサービスという構成。全世界に70以上の拠点を持ち、約400件の取得済みおよび申請中の特許を持つ。

 日本法人は1997年に設立、約70人体制となっている。「現在、全世界に占める日本の売上比率は3%程度。まずは5%を目指す。第1四半期にアジア太平洋では、日本市場がダントツの成長率になっている。米本社もアジア太平洋で最も重視する市場は日本だと位置付けており、今後、積極的に日本市場にヒトとカネを投資することになる」と説明する。

 「大阪にも新たに拠点を開設したいと考えている。現在、30人のコンサルタントがいるが、その体制では足りないのが実態。成長に向けて、コンサルティングファームや販売パートナーとの連携強化が重要になる。現在、十数社と戦略的提携を検討しており、順次発表していくことができる」

 現在、国内では小売り、食品・飲料、医療・化学、消費財、ハイテク・半導体、鉄鋼・重工、航空・運輸、卸売りなど70社への導入実績があるという。「ソニーは、液晶テレビの“BRAVIA”に関して在庫最適化や需要計画を導入。これにより、同事業が黒字化している。6カ月間でROI(投資対効果)の効果が出ることを目指している」という。

 イオンやアスクルといった大手流通のほかキヤノンや日立、富士通、東芝、エプソンなどのハイテク企業、ブリヂストンなどのグローバル企業への導入実績もあると説明。イオンはグローバルの発注業務に活用。10人以上が専門スタッフとしてイオンに常駐してサポートする体制を敷いているという。

オムニチャネルで商品の流れは双方向に

 今後、力を注ぐことになるインテリジェントフルフィルメントは、需要予測や補充計画、分散注文管理、物流管理、倉庫管理、要員管理をそれぞれコンポーネントとして提供するものであり、「小売業は、どこでも、いつでも、すぐに高い信頼性のもと商品を受け取れるフルフィルメントと、簡単に返品でき、サービスを提供できるアフターサービスの領域に注力しなくては生き残れない時代が訪れている」と解説する。

 「オムニチャネル化で一方通行だった商品の流れが双方向になり、配送、受け取り、来店、返品といったことへの対応が重要になってきている。需要予測・販売計画、在庫・発注計画、輸配送計画・管理、倉庫管理・要員計画・管理、顧客オーダーといったソリューションを提供することでこうしたニーズに対応していく」

 インテリジェントフルフィルメントは、旧RedPrairieのソリューションをベースにしており、買収前には同社の日本法人がなかったこともあり、販売体制の構築が遅れていた。今回の体制強化で同ソリューションの国内展開を加速することになる。

商品が双方向に行き交うオムニチャネルではインテリジェントフィルフルメントが重要という
商品が双方向に行き交うオムニチャネルではインテリジェントフィルフルメントが重要という

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