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展望2020年のIT企業

閉塞感漂う市場環境でIT企業が打つべき施策

田中克己

2016-08-10 07:00

 「国内のITサービス市場は緩やかな回復基調だが、先行きに閉塞感が漂う」。IT調査会社ガートナージャパンの中尾晃政氏は6月末に開催した同社主催のシンポジウムで、国内のITサービス市場を分析し、日本のIT企業(ガートナーはITサービスベンダーと呼ぶ)に打つべき施策を提案する。

大手5社の国内シェアは5割を切る

 ガートナーによると、ITサービス市場は2012年から回復し、2015年に約11兆3000円の規模に達した。年平均成長率は2%前後で、最大のシェアは富士通の13%である。次いでNTTデータの9%、NECの8.4%、日立製作所の8.4%、日本IBMの6.6%と続き、5社合計のシェアは約45%になる。野村総合研究所や日本ユニシス、新日鉄住金ソリューションズなど準大手と中堅を合わせた30社の合計シェアも29.3%になる。

 とはいっても、「この10年間、シェアは大きく変わっていない」(中尾氏)。金融機関の統合やマイナンバー、国際会計基準など大規模プロジェクトがあったものの、国内売り上げを大きく伸ばしたIT企業は1社もなかったということだろう。それでも、かつて75%あった大手のシェアが5割を切ったことを考えると、中堅IT企業が確実に力をつけたように思える。

 一方、ユーザー企業はIT投資を守りから攻めへと重点を移しつつある。たとえば、経営課題の解決にIT投資を振り向けられている企業は9割近くにのぼる。日本情報システム・ユーザー協会(JUSA)の「企業IT動向調査2016」によると、「重点課題にIT投資が振り向けられている」企業は約3割もある。「振り向けているが、十分ではない」との回答も6割弱もあり、ITがビジネスモデルの変革や新しい商品の創出に貢献しつつあるとの認識が高まっている。

 同時に、多くのユーザー企業がIT企業に支援を求めている。デジタル化やグローバル化などに対応する技術者が不足していることもある。ガートナーの調査によると、たとえばIoT活用で、「ITベンダーの支援を必要としない」との回答はわずか約10%だ。

 求めるものは、ビジネス創出やテクノロシーの選定・調達、システム設計・構築、運用・保守など多岐にわたる。もちろん、有効なIoT活用には、それら工程をインテグレーションする力がIT部門にあるかに大きく左右する。IT企業との関係も見直しされる。

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