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Fintechの正体

激動のFintech--通貨のデジタル化を検討するということ - (page 2)

瀧 俊雄 小船井健一郎 山田竜司 (編集部)

2016-08-05 07:30

 なお、日本銀行では、深い金融制度の知識をもって研究をされてきた方々が、ブロックチェーンなどについてのオープンな発言をされることも多くなっています。先日のイベントでも「場合によっては日本円はいらなくなるんじゃないか」という表現をされていたり、新しい技術の台頭に対して、かなりの関心と広がりをもって見ているのだと考えています。

 海外の中央銀行をみても、たとえばイギリスの中央銀行などは通貨のデジタル化についてのシリアスな議論しており、ブロックチェーンなどの技術開発に関するアクセラレーターを設置するところまで、取り組んでいます。

 他にも世界中を見渡すと、すでにデンマークは通貨発行を止めてガソリンスタンドや服の小売りなどいくつかの業種で紙幣を受けとらなくても良いことにしました。つまり、生活必需品であるガソリンであっても、通貨ではなくカードでしか支払えない場所が出てくる、というが、現在生まれている動きなのです。

 これはデンマークのような小国だけの問題ではありません。まず「紙を使うのは資源の無駄」ということでもありますし、さらに現金社会ではマイナス金利を実現することができないのですが、全ての通貨がデジタルデータとなっていれば、その是非はともかくとして「明日からみなさんの100円は99円になります」ということが、物理的には可能となります。

 通貨に対する政策上の選択肢が増えることは、その含意も含めれば安易に考えてよいことではありませんが、新しい世界観がそこにはありうる、ということです。実際にやるかということは政治的、国民的な合意が必要ですが、少なくても研究面では追いついていく必要がある。世界的に見ても、そうした中央銀行の研究は英国が進んでいるという認識があります。

この記事はマネーフォワードの 瀧 俊雄氏が語った内容をZDNet Japan編集部が再構成している
瀧 俊雄
取締役 兼 Fintech研究所長
1981年東京都生まれ。 慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村證券入社。野村資本市場研究所にて、家計行動、年金制度、金融機関ビジネスモデル等の研究業務に従事。スタンフォード大学経営大学院、野村ホールディングスの企画部門を経て、2012年よりマネーフォワードの設立に参画。自動家計簿サービス「マネーフォワード」と、会計や給与計算、請求書発行、経費精算などのビジネス向けクラウドサービス「MFクラウド」シリーズを展開している。経済産業省「産業・金融・IT融合に関する研究会」に参加。金融庁「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」メンバー。

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