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小米の不振、OPPOとVivoの台頭--中国スマホ市場の変化から分かること

山谷剛史

2016-08-23 07:30

 

 中国で飛ぶ鳥を落とす勢いとも思われていたスマートフォンメーカーの小米(シャオミ)のシェアが下がった。調査会社のIDCによれば、2016年第2四半期における中国スマートフォン市場は、シェア1位が「ファーウェイ(1910万台、シェア17.2%)」、2位が「OPPO(1800万台、同16.2%)」、3位が「Vivo(1470万台、13.2%)」、4位が「小米(1050万台、9.5%)」、5位が「アップル(860万台、7.8%)」となった。5社のシェアを足すと63.9%となり、シェアをとれるメーカーがだいぶ限られてきた。

 前年の同四半期をみると、小米の出荷台数は1710万台で、2016年は700万台近くも出荷数を減らしている(アップルも去年同期は1260万台で、400万台減)。一方OPPOの前年同期は800万台で今年は1000万台増加し、Vivoは前年同期が840万台で、今年は630万台のプラス。小米の不振については「故意に出荷台数を調整している」と分析する専門家もいる。

 一方で、小米に代わりOPPOやVivoが台頭したのは当然だという論調も多い。小米がスマートフォンでターゲットにするのは、ネット情報をチェックし、良いスペックの製品を安く買いたがる堅実な消費者たちだ。ネットでインパクトのある発表を継続して行うべく、発表前には「何日後に新製品を発表」と宣伝し、販売そのものは「数量限定発売」方式で消費者の購入意欲をそそる「小米商法」を行い知名度を上げた。

 OPPOやVivoは違いのわかる消費者を狙い、技術を前面に押し出す。OPPOは「5分の急速充電で通話2時間」が特徴のOPPO R9や、機械式の回転レンズが特徴の製品などをリリース、一方でVivoは音にこだわった製品をリリース。OPPOもVivoも機能面のこだわりを伝えるために、ネットで広告を出すだけでなく、消費者に製品を触ってもらうべく、ネット販売の時代と逆行するように実店舗での販売にも力を入れ、テレビ広告でもその良さを伝えている。

 OPPOについてこんなエピソードがある。中国メディアのPConlineは2016年6月の記事で、OPPOが稲森和夫氏の経営哲学を尊敬していることを紹介。消費者を学習し、堅実な市場展開をし、製品を開発するといった、勢いだけではなく本質を求めるモノ作りの姿勢があるようだ(実際、東南アジアや南アジア市場で実店舗を中心に販売を行い、じわじわと認知度を高めている)。

 消費者も変化している。スマートフォンの買い換え頻度が世界の主要国の中でも高い中国では、出荷したスマートフォンの9割が5インチ以上で、中国人消費者はその次を求めている。

 この四半期のOPPOとVivoの躍進から解釈するに、現状の消費者は、所有している製品より優れた特徴のある、Vivoのような音質にこだわりある製品や、OPPOのようなカメラや充電に際だった特徴がある製品に乗り換える傾向があるといえる。

 OPPOやVivoの台頭は中国の消費者がCPUやメモリ、液晶サイズといった基本スペックだけで判断せず、付加価値をみるようになり、言い換えれば実際にスペックでは伝えにくい特徴に触れるようになったことを示唆している。今後は製品をちゃんと伝えるためのマーケティングの手法が変わるだろう。

 中国メーカーによる日本風のモノ作りは今になってようやく認められた。だからといって中国メーカーが市場を席巻し、強力なローカライズが重要な中国で、日本の製品が爆買いされることはないだろうが、一部の人は日本の製品を再評価するかもしれない。

山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター
2002年より中国雲南省昆明市を拠点に活動。中国、インド、アセアンのITや消費トレンドをIT系メディア・経済系メディア・トレンド誌などに執筆。メディア出演、講演も行う。著書に「日本人が知らない中国ネットトレンド2014 」「新しい中国人 ネットで団結する若者たち 」など。

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