「情報通信白書」最新版を読む

ICTの非貨幣的価値とは--「情報通信白書」を読み解く(1) - (page 4)

田島逸郎

2016-09-06 07:00

 メッセージングアプリについては世界的にWhatsAppが利用されているものの、日本ではLINE、韓国ではKakaoTalk、中国では微信(WeChat)が利用されている。ソーシャルメディアでの拡散を前提とした「バイラルメディア」については、拡散の有用性について、若者では米国のほうが肯定的だが、日本では世代をまたいで拡散に肯定的な意見が多い。

 動画視聴サービスについては、YouTubeなど無料のものについては日本では充分に普及している。一方で、有料の動画配信サービスについてはまだまだである。年齢が低いほうが有料でもよいという割合が高い。ネットショッピングについては、年々利用世帯と月間支出額が増加している。特に日本では小型家電、PC、本などが多い。

(総務省)
動画を視聴する際の考え方 出典:「平成28年版情報通信白書」(総務省)

 このほか、公共・事業目的に個人のデータを提供すべきかという「パーソナルデータ」については、世界的に無条件での提供には抵抗感がある。利用目的別に見ると、日本では災害、防災、安全保障などで提供してもよいとする割合が高い。

(総務省)
情報提供してもよいと考える利用目的(公共目的) 出典:「平成28年版情報通信白書」(総務省)
(総務省)
情報提供してもよいと考える利用目的(企業の事業目的) 出典:「平成28年版情報通信白書」(総務省)

 スマートフォンやソーシャルメディアがさまざまな分野でさまざまな形をとって社会に影響していることがわかる。

<第2回に続く>

田島逸郎
いくつかのスタートアップに関与しながら、スマートフォン情勢に関心を持ち、個人的に調査、記事の執筆などを行っていた。現在は地理空間情報系のスタートアップで、主にGISやオープンデータなどに携わる。

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