「情報通信白書」に見る情報通信政策の過去、現在、未来(1)--ICT産業の30年

田島逸郎 2015年08月17日 11時00分

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 平成27年度版「情報通信白書」が総務省によって公表された。現在の情報通信技術(ICT)や政府の情報通信政策を把握する重要な資料である本白書では、今年は「過去30年を振り返る」という珍しい試みがある。

 1985年に「通信自由化」によってさまざまな通信産業が生まれ、そこからICTなどの新しい技術、そして生活に密着した幅広いサービスを提供するようになった。今回は節目の年として、過去を振り返りながら現在のICTがどういった方向を目指しているか、また長期的にはどうなっていくかを描いている。この連載では第1回として、情報通信白書の「第一部」にあたる30年のICTの進化について取り上げる。

 連載では、「第二部」の最後にあたる「2030年の未来像――ICTが創る未来のまち・ひと・しごと」を先に取り上げる。電電公社の民営化から始まった「通信自由化」は電話という一つの形から始まり、それから30年間で技術、サービス、役割や課題などあらゆる面で大きく変化してきた。その流れの上で、“2030年の未来予測”をとらえていきたい。


ICTを利活用した未来社会のイメージ
出典:「平成27年版情報通信白書」(総務省)

通信自由化から多様なICTへの30年の歩み

 まず、ICTの発展は、3つのフェーズに分かれる。最初のフェーズは、電電公社がNTTとして民営化されたところから始まる。戦後からしばらくは、電話網の爆発的な普及に対応するため、公社による独占で効率的に設備を拡充する必要があった。しかし、光ファイバや衛星通信などの新技術、新しい種類のサービスの利活用を促進するために競争が必要であるという視点から、電電公社の民営化と、さまざまな企業が参入できるような法整備がなされた。これが「通信自由化」である。

 通信自由化の観点で見れば、1985年から2013年にかけて国内通信事業者の売上高は合計で約4倍になり、通信事業者数も増え活発に業界再編もある。ICT産業も2.4倍に拡大している。ICT産業への経済成長への寄与度も一貫してプラスとなっており、元々の通信自由化そのものは成功したといえる。


主要国内通信事業者等の売上高
出典:「平成27年版情報通信白書」(総務省)

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