人工知能(AI)

NEC--AIによるデジタル産業革命で価値創造へ

大河原克行

2016-11-02 15:35

 NECは、11月1日、2日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムで「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2016」(主催・NECおよびNEC C&Cシステムユーザー会)を開催した。

 「デジタル産業革命が、あなたのビジネスを変える」をテーマに、7つの特別講演、59のセミナーを通じて、AIやIoTをはじめとする最先端事例や製品、技術などを紹介。さらに、展示会場では、約70の最先端のICTソリューションなどを展示した。

NECの新野隆社長
NECの新野隆社長

 NECの新野隆社長による基調講演では、「デジタル産業革命を支えるNEC~安全・安心・効率・公平な社会の実現~」と題して、AI技術群である「NEC the WISE」をはじめとする同社の最先端技術や製品を活用して実現する、新たな世界を示してみせた。

 新野社長は、基調講演の冒頭に、「世界を取り巻くデジタルテクノロジーの波」について説明。「2050年には、世界人口が1.3倍となる90億人に達する。とくに都市人口は1.8倍となる63億人になる。また、モノの移動は2.4倍に、食糧需要は1.7倍に、廃棄物発生量は2.1倍になると予測されている。地球上では様々な問題が起きている。その解決にはICTの力が必要である」と切り出した。

 一方で、スーパーコンピュータは、20年間で57万倍、ネットワークの伝送速度は10万倍、デジタルデータはわずか数年で6500倍に拡大。2020年にインターネットにつながるモノは530億個に達し、「これまでは意識してネットにつないでいたが、意識せずにネットにつながるようになり、予想もしないような新たなことが起こるようになる」とコンピューティング環境の変化を指摘。

 さらに、「1997年にコンピュータがチェスのチャンピオンに勝利して以来、2013年には将棋で勝利し、わずか3年後の2016年には囲碁で勝った。AIは、驚異的な速度で進化している」としたほか、「デジタル化は一企業の改革だけに留まらず、都市のスマート化、ビジネスのスマート化、暮らしのスマート化をもたらし、新たな産業の価値を生む。これは社会全体を変えるデジタル産業革命といえるものになる。NECは、その潮流において、データを生かしながら、見える化、分析、対処によって社会価値を提供。顧客のビジネスモデルの変革のお手伝いをする」と述べた。

 新野社長は、NECは、デジタル時代において、「AI」「コネクティビティ」「セキュリティ」の3つの価値を提供することができると語り、それぞれの観点から説明を行った。

 最初のAIでは、NEC the WISEを紹介した。 

 「NECは数十年にわたって、AIの技術を磨いてきた。だがブランドがついていなかった」とし、今年9月に、AI製品群のブランドとして「NEC the WISE」を策定したことに触れ、「WISEには『賢い』という意味があるが、the WISEになると、『賢者たち』という意味になる。NEC the WISEは、人の知的創造活動を最大化する最先端AI技術群であり、顔認証や異種混合学習など、世界ナンバーワンあるいは世界唯一のAI技術で構成し、これを組み合わせて新たな価値を提供する。賢者たちが集まって、価値を創造する」と語る。

 ここでは2つのソリューションを紹介してみせた。

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