デジタル人事の時代

ローソンや伊藤忠が推進する「健康経営」--ビッグデータで従業員を病から守る方法 - (page 4)

田中公康 折本敦子グレイス

2016-12-20 07:00

健康経営実現のポイント~SMAC技術を活用した予防フォーカスアプローチの実現

 このように健康経営は、単なる健康保険組合や健康管理室の業務改善運動ではなく、持続的な企業成長の基盤として実現すべき経営課題となりつつある。

 経営課題化した健康経営を実現していくために重要となるのが、健康データの収集・分析を上手く取り入れ、健康経営を一過性の運動ではなく継続的な取り組みするための環境・仕組み作りである。

 従業員の健康を増進し健康経営を推進していくためには、これまでの病気や体調不良になってから対応を考える対症療法的なアプローチから、生活習慣病予防や体質改善など予防フォーカスのアプローチに軸足を移していくことが不可欠となる。多種多様な健康関連情報をリアルタイムに収集・分析し迅速に対応策を実行していくことが鍵となるが、膨大なデータになるため、これまでどおりのエクセルを駆使したマニュアルでの対応では限界がある。


健康データによる評価・分析(例)

 データの収集・分析で力尽きず、本来重視すべき施策の実行に注力していくためには、SMAC技術などの先端テクノロジを上手く活用していくことが求められる。また、実現に向けては、データの取集・分析を行える情報基盤の構築・運営を担うIT部門や情報の分析を担当するデータアナリストなどのサポートを上手く引き出し、先端テクノロジーを活用できる体制を構築していきたい。

 また、言わずもがなのことであるが、データから示唆を読み取り、対策の実行主体となる健康保険組合や産業医を巻き込んで体制を構築していくことが必須であることを述べておく。

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