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「ドラえもん」に学ぶ設計思想--なぜ日本人はロボットに親しみを感じるのか

稲田豊史

2017-03-26 07:00

 『パラサイト・イヴ』で知られる小説家の瀬名秀明氏は、かつて最新ロボット技術を紹介する子供向けムックにこんな寄稿をした。

「どうして日本人は、こんなにロボットが好きなんだろう。ひとつだけ言えることがある。きっとそれは、日本にドラえもんがいるからなんだ」――『ロボットはともだち!』(小学館)より

 たしかに、日本人はロボットが大好きだ。1970年代以降に国民的作品となった『ドラえもん』はもちろん、1960年代にTVアニメ化されて驚異的な視聴率を叩き出した手塚治虫の『鉄腕アトム』もまた、日本人のロボット好きに大きく貢献しているだろう。

 かつて電気街系のゲームやアニメに興じた3、40代の男性であれば、アダルトPCゲーム『To Heart』(1997年発売)に登場するメイドロボット・マルチや、アニメ『まほろまてぃっく』(2001年放送)の戦闘用アンドロイド・まほろを思い出すかもしれない。

 ただし、ここで言う「ロボット」とは、「感情を持っていて、人間のサイズとあまり変わらない」存在を指す。本来は地雷除去マシンや進化したドローンも「ロボット」の一種だし、アームだけの組み立てライン工やメディカルロボット、機械化されたレジ係・接客係・受付嬢も然り。

 「テクノロジの進化によって、ロボットが人間の仕事を奪う」という煽り文句は、ここ2、3年のウェブ記事で定番化しているが、これらは「日本人の好きなロボット」に含まれない。

 現在30〜40代の日本人が思い出の作品として挙げる「ロボットSF映画」からも、それは明らかだ。感情を持ったロボットと人間の交流を描いた米映画『ショート・サーキット』(1986年)、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるロボット(ターミーネーター:T-800)が少年を守る『ターミネーター2』(1991年)、夫婦の子供がわりとして製造された少年ロボット・デイビッドの悲しい運命を描く『A.I.』(2001年)など。どの作品に登場するロボットも人間味にあふれている。

 機械やモノに「こころ」を見立てる美学は日本人特有のもの……と説明できれば綺麗にまとまる話だが、少々強引かもしれない。ただ、感情の有無は別としても、これほどまでに「人間味」「愛嬌」「かわいげ」をロボットに求めるのは、ちょっとした国民性と言ってよい。ASIMO(アシモ)にせよ、Pepper(ペッパー)にせよ、AIBO(アイボ)にせよ。

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