--学生インターンも積極的に受け入れられていますね。
学生インターンは世界中から受け入れています。カーネギーメロン大学に、清華大学、パリ大学、スタンフォード大学、東京大学もいます。インターンを受け入れる理由は雇用です。われわれが欲しい人材は超トップクラスなので青田買いをするしかありません。来て欲しいラボに行って、MUJINがどういう会社かや、しっかりお金を払うことを伝えています。
最近ではMUJINのプレゼンスが高まってきたので、自分から申し込む人も増えてきました。インターンになるには試験があり、良いインターンなら1カ月に40万円出して、きちんと仕事をやらせています。
そうすればMUJINのやり方が学べるので、良ければこのまま働くかという話になります。うちの会社がイエスと言うかは別ですが、実力を知っているので会社としてのリスクが少ないのです。今のところインターン後に、ほぼ100%がうちで働きたいと言ってくれていま す。オファーしなかったのが約30%、残りの人はインターン後にPh.Dを終わらせてきてから就職したり、そのままPh.Dを辞めて働く例もあります。
--世界中から学生が集まる理由は何だと思いますか。
MUJINのエンジニアにはトップクラスしかいないというブランドがあるので、そこに選ばれるのが一つのステイタスになりつつあります。ロボット界やオートメーション界で「MUJINで働いています」と言ったら、どこでも働けますという自負があります。
もう1つは、「リアルな仕事」ができるところです。ソフトウェアの世界では年齢はあまり実力に関係ないので、即戦力になる人には実際の仕事を任せています。すると、インターンをしている間に自分が担当したものが、超最新のロボットセクションで製品として工場で動いている可能性もあります。そうした実績を論文に書くこともできます。
教授もMUJINの仕事内容を理解していて、われわれも彼らが論文を書けるようなプロジェクトを渡しています。ちゃんとお金も渡して、海外から来る場合は住居や往復交通費も出しますが、リクルーターに紹介してもらったら1人で数百万円もかかるわけですし、欲しい人材は来ないので会社としてはそれでも安いのです。
また、責任感の違いもあります。大学の研究なら、10回デモして2回動けば良いですが、われわれの製品は24時間365日動いて当たり前です。ロボットは基本的に大量生産ラインで使われるので、1分間に6台車を作るラインが20分止まったら、大損害です。
そういうリアルな緊張感の中で働いている。自分の書いたコードが責任を伴って社会に出る経験をできるのは非常に大きいし、やりがいにもつながりますよね。それは普通のインターンではできません。一流の先輩とリアルな仕事で働けて、待遇も悪くないのが魅力でしょう。エンジニアの専門はUI、バックエンド、ソフトウェア、ロボット工学、機械とさまざまです。