フィノラボの存在
落合氏:続いて大久保さんにお話いただきます。
大久保氏:私はグループの中でオープンイノベーションを担当してきたので、今のお話と実務的に絡んでいるところがあります。
藤井さんがおっしゃられたように、オープンイノベーションを進める上では、スタートアップ然り、大企業や、地銀・信金との協業も含まれます。
また、ソフトバンクと協業しFinTechレンディング(貸付け)サービスの会社を設立準備中です。新たなレンディングスキームとして、ソフトバンクが保有するビッグデータに加えて個人情報を入力していただくことでスコアが上昇するなど、今までよりも広い層に融資ができるサービスです。
みずほフィナンシャルグループデジタルイノベーション部シニアデジタルストラテジスト 大久保光伸氏
さらに、メタップスと、新しい決済のビジネススキームを検討しております。さらには、フィンテック企業の支援施設「FINOLAB(フィノラボ)」にラボ施設を設置し、フィノラボの会員の方たちと銀行のAPIを活用したオープンイノベーションを推進しており、マネーツリーやLiquid Payと実証実験(PoC)を実施しています。
月曜はブロックチェーン、火曜日はAI、水曜日は決済と曜日を決めており、外部の人たちにも「月曜に来ればブロックチェーンの担当者がいるだろう」と覚えていただいて、打ち合わせもスムーズになったのではないかと考えています。
2017年度は銀行法改正案が3月3日に閣議決定して方針が決まったことで、これまで温めてきたAPIのビジネスモデルを、いかに確度を高めて企業と協業していくのかがポイントになってくると思います。
落合氏:せっかくなのでAPIについて初心者の方にもわかるように、もう少しお話うかがえますか。
大久保氏:わかりやすい例ですと、残高照会や振込のところに、外部の企業が外からセキュアに連携できるようにするサービスです。
例えばLINEもAPIを利用して、「LINEでかんたん残高照会」 というサービスをやっているのですが、それはわれわれがリーチできなかった若年層の方たちに、通常の生活のなかで金融の行動を体感してもらうという新しいユーザー体験を求める形式です。
そういったことが実現できるようになるのではないかと思っています。外から利用するケースと、API化しておいて社内で効率化するというケースの両方があると思います。