これからのFintechに何を見るか
落合氏:最後に今後の展望を、大平さんからお願いします。
大平氏:2015年末〜2016年末にかけてFinTech業務を行っているベンチャーは180社くらいまで増えてきています。2015年末は100社でしたので、2016年末にかけて80社は登記が新しく金融領域に入ってきています。
チャレンジする人が増えていくのは日本にとってとても良い環境です。その苗床となるものや、FINOLABのようなインキュベーション施設など、スタートアップがきちんと入れる場所ができてくることには価値があると思います。
みずほフィナンシャルグループデジタルイノベーション部シニアデジタルストラテジスト 大久保光伸氏
そのエコシステムを微力ながらも手助けしていきたいなという思いがあります。また、個人的な目標としては、スタートアップベンチャーのインキュベーションと、大企業の新規事業開発に注力していきたいです。プラットフォームは既存のものを着実に発展させていきたいです。
平手氏:未来は語りづらいところがあるのですが、「こんな世界が来るよね」みたいなことがあります。
例えば、「ビッグデータを使いたい」とか「AI使わなきゃ」とか「ブロックチェーンが新しい仕組みを実現している」とか、「IoTで何か」とか、いろいろな人がそれぞれに思いながらやっている中で、概念的には皆さんある程度共通の未来があるのではないかと思います。
ただ、その概念的なものを具体的なサービスに落とし込むのが難しいと個人的には思っています。これは私が転職した理由の1つでもあるのですが、コンサルティングをする中、「この領域にはこの戦略で行くといい」と戦略を立てるわけですよね。
ところが、一番難しいのは、戦略を実際にサービスや事業にする時に、それが具体的にどういうものになるのかという部分です。AにもBにもCにもなる、というようなことがあって、どれになるかでサービス自体の競争力も変わるので成功確率に大きな隔たりがあると思っています。
そこのところを考えながら今はハンズオンでサービス開発をしており、未来に何かいい影響があるようなサービスを作っていけたらと思っています。
大久保氏:FinTechエコシステムの形成に欠かせないオープンイノベーションとは、これまで以上に「結局は人と人との信頼関係で成り立っているもの」だと考えさせられることが多くなりました。
これからも金融の新しい未来を切り開くべく、視野を広く持ち、チャレンジャーとして頑張っていこうと思います。