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内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」

イノベーションに求められる人材像とは - (page 2)

内山悟志 (ITRエグゼクティブ・アナリスト)

2017-06-20 07:30

3つのタイプの人材に求められるスキル

 それでは、これら3つのタイプの人材は、どのようなスキルを具備していることが求められるのでしょうか。ビジネスとテクノロジを結び付け、アイデアを具現化していくことを考えると、大きく「ビジネス」「テクノロジ」「デザイン」のスキルが必要となると思われます。

 「ビジネス」の領域では、事業全体を俯瞰的に把握し、投資や経営資源の配分などに対して的確な意思決定ができる「ビジネス・マネジメント力」、自社の業界を理解し、ビジネスを取り巻く社会・経済の環境変化と将来動向を読み解く「外部環境把握力」、そして内部・外部の人材・組織を巻き込みながら、人脈を拡大し、必要となる体制構築や予算確保を牽引する「組織牽引力」の3つが求められ、これらは主にプロデューサー・タイプの人材が担うでしょう。

 「テクノロジ」の領域では、先進的技術や各種要素技術について幅広い知識を持ち、適用可能な技術を的確に評価・選定できる「技術適用力」と、アイデアを迅速に具現化し、それに対するフィードバックを反映して継続的に工夫改善する「試作・改善力」が求められ、これらは主にデベロッパー・タイプの人材が担うと考えられます。

 「デザイン」の領域では、市場や顧客の課題やニーズをくみ取って、ビジネスやサービスを発想し、それを有効なコンセプトに発展させることができる「着想力」、アイデアやコンセプトを、分析・組み合わせ・図解・説明して、魅力ある企画に仕立て上げることができる「企画構築力」、合意形成や相互理解をサポートし、チームや参加者の活性化および協調的活動を促進させる「ファシリテーション力」が必要であり、これらは主にデザイナー・タイプの人材が担うことでしょう。

 3つのタイプのイノベーション人材に求められるスキルを表にまとめると図2のとおりです。


図2.イノベーション人材に求められるスキル(出典:ITR)

 企業のIT部門にこうしたスキルを備えた異なるタイプ人材が、すべてそろっているということはまれでしょう。人材育成には時間と労力を要するため、IT部門長は長期的な視点で人材を育成することに加えて、事業部門や外部から調達することも視野に入れてイノベーション創出に向けた人材戦略を検討しておかなければなりません。

内山 悟志
アイ・ティ・アール 代表取締役/プリンシパル・アナリスト
大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストとして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は、大手ユーザー企業のIT戦略立案のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。最近の分析レポートに「2015年に注目すべき10のIT戦略テーマ― テクノロジの大転換の先を見据えて」「会議改革はなぜ進まないのか― 効率化の追求を超えて会議そのもの意義を再考する」などがある。

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