イノベーションを起こす「デジタル人類」

シンプルなIoT化で顧客はニコニコ顔--その事例、「デジタル人類」の仕業です

林大介 2017年07月12日 07時00分

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デジタル人類の活動の最前線

 今回は、過去にさかのぼった前回から時を進めて現在の話、つまり事例を中心に論を進めたいと思う。

 世の中にはIoTによる変革の事例とされるものはたくさんあるが、その中でもデジタル人類の仕業であると色濃く読み取れる4つの事例を紹介したい。事例を紹介した後に、その共通点を洗い出し、変革を前に進める考え方や思考の枠組みについて整理する。

居酒屋スタッフの気が利く範囲を拡張する

 手前味噌の事例で恐縮だが、筆者が所属するウフルが先日発表した居酒屋×IoTの事例をトップバッターとして紹介する。

 この事例は、座席に設置したセンサがその場の雰囲気をリアルタイムに読み取り、その情報を活用してスタッフの接客品質を向上させようという試みである。

 セクションエイトが運営する”相席屋”という居酒屋業態は特殊で、顧客に楽しんでもらう一方、スタッフの業務は極小化する必要があるという相反する命題を抱えていた。

 スタッフを増やして目が届く範囲を拡げれば、それだけ顧客が抱えるストレスや変化に気が付く可能性が高まるが、当然ながらコストの問題がつきまとう。

 そこで、スタッフの代わりにセンサに”気を利かせて”もらうことで人間が察する範囲を拡大(図1)し、接客品質の向上とスタッフ配備の効率化を両立させる発想に至ったのである。


図1:人間が察する範囲の拡張

 セクションエイトは今後、察した雰囲気によってスタッフの対応を変えるだけではなく、相席におけるエンターテインメントの分野にこの技術を活用しようと模索している最中である。

 IoTの概念を取り入れ、「座席のリアルタイムの雰囲気」という今までにない情報が得られることで、業務も顧客体験も大きく変革する可能性がある。

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