多くの企業が現在コンテナの使用を検討している。一部でコンテナの採用に消極的で、コンテナの標準化が実現するのを待っている組織もある。特に政府機関などだ。そうした組織の要求に応えるものがついに実現する。Open Container Initiative(OCI)がコンテナランタイムとイメージの仕様のバージョン1.0「OCI v1.0」を発表した。
コンテナに関しては、「Docker」が注目されることが多いが、内部ではコンテナ仕様の間に細かいが重要な差異が数多く存在する。コンテナのフォーマットとランタイムの標準化を図るため、Open Container Project(現在のOpen Container Initiative)が発足しており、The Linux Foundationも立ち上げを支援した。
そのプロセスには時間を要した。オープンソースプロジェクトでは、最初に標準を策定した後でその標準を発展させていくよりも、コードに標準を決定させることで、古い標準策定プロセスが覆される場合が多い。コンテナ仕様の策定には、両方の要素が含まれていた。Dockerのものであれ、「CoreOS」のものであれ、オープンソースのコンテナコードは既に機能していた。細かいが重要な差異の数々を標準化することに時間を要した。
OCIのエグゼクティブディレクターを務めるChris Aniszczyk氏は、オープンソースの基準からすればこのプロセスに長い時間がかかった理由について、次のように説明した。「標準の構築は、オープンソースプロジェクトの構築とは幾分異なる共同作業だ。独自の方法で利益を得る複数の企業が参加する技術的なオープンソースプロジェクトのように、意見の相違が常に発生する」(Aniszczyk氏)
だが最終的な成果は、「コンテナ技術に関する共通かつ最小のオープン標準と仕様を実現する」ことであり、これにはイメージフォーマット仕様とコンテナのライフサイクルを管理するためのランタイム仕様が含まれるとOCIは述べている。「これらの仕様のオープン性は、業界全体で真に共有される標準を生み出す。それは相互運用性の問題を軽減し、技術革新を促進する」(Aniszczyk氏)
Aniszczyk氏によると、DockerとCoreOSのほか、Red HatとHuaweiも主要なコントリビューターだ。富士通、Microsoft、Google、Oracle、Cisco、Tencentなども大きく貢献した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。