VM専用ストレージのTintriが語る“エンタープライズクラウド”の効用

日川佳三 2017年10月05日 15時00分

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 「オンプレミスとパブリッククラウドのいいとこ取りをした“エンタープライズクラウド”が望まれている。エンタープライズクラウドはオンプレミスにあるため、古典的なITシステムと同じように、ユーザーが意のままに操ることができる。この上で、拡張性や俊敏性といったパブリッククラウドの利点を併せ持っている。Tintriでエンタープライズクラウドを構築できる」――。

 米Tintriは、仮想化環境に向いた外部ストレージ装置として、仮想マシン(VM)のディスクイメージを格納する用途に特化したNASを開発、提供しているベンダー。Tintriストレージの最大の特徴は、一般的なストレージのようなLUN(ボリューム)単位ではなく、仮想サーバ単位でQoS(I/O性能)を制御できることである。

 日本法人のティントリジャパンは9月20日、既存機種の後継機種となる「Tintri EC6000」を発表した。全モデルがオールフラッシュ構成で、小規模から大規模までをカバーする4モデル全16システムで構成する。これに合わせてOSも新版「Tintri OS 4.4」に刷新した。新OSでは、VMイメージのスナップショットをパブリッククラウドのオブジェクトストレージサービス「Amazon S3」や「IBM Cloud Object Storage」にバックアップする機能などを追加した。

全16構成で小規模から大規模までカバー

 Tintri EC6000のエントリモデル「EC6030」は、秒間の入出力(IOPS)7万5000を処理可能で、500台のVMを格納できる。最小構成時(480GバイトSSD×13本)の論理実効容量は19Tバイト(重複排除と圧縮によるデータ削減率5倍の場合の論理実効容量)である。ハイエンドモデル「EC6090」は、32万IOPSを処理可能で7500台のVMを格納できる。最大構成時(7680GバイトSSD×24本)の論理実効容量は645Tバイトである。

 米Tintriでは今後、既存機種(オールフラッシュ構成の「VMstore T5000」ハイブリッド構成の「VMstore T800」)から後継機種のEC6000へと販売の主軸を移す。

 日本法人であるティントリジャパン職務執行者社長の河野通明氏はEC6000のカバー範囲の広さについて、「全16通りの構成があり、SSD×1本単位での拡張も可能で、さまざまなユーザーの需要を満たせる」と説明する。

 Tintriストレージでは、複数台をクラスタ構成で使うこともできる。この機能を同社は「VMスケールアウト」と呼んでいる。最大で64台でクラスタを組めるので、格納可能なVM数は64倍の48万台、IOPSは64倍の2000万、論理容量は64倍の40Pバイトになる。

 クラスタと言っても、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)が搭載する分散ストレージソフトとは異なり、単一のストレージイメージを提供するわけではない。それぞれが独立した64台の外部ストレージでしかないので、台数を増やしても性能には影響しない。

 一方で、個々のVMのQoSを考慮した上で、どのVMをどのストレージに配置すべきかを自動で判断し、適切に配置してくれる。クラスタへの増設もつなぐだけで終わる。

Tintri CTO Kieran Harty氏
Tintri CTO Kieran Harty氏

HCIや分散ストレージソフトは拡張性に難あり

 共同創業者で米本社の最高技術責任者(CTO)を務めるKieran Harty氏は、それまで使っていたHCIからTintriのストレージに刷新したユーザー事例として、アイルランドの製薬会社であるShireの事例を紹介した。

 Shireでは、米NutanixのHCIを、サーバに「Cisco Unified Computing System(UCS)」とストレージにTintriという組み合わせに置き換え、サーバとストレージの費用を3分の1に削減した。

 「HCIは、ローカル環境のような小規模クラスタでは上手くいくが、全社規模のクラスタでは上手くいかない」とHarty氏は言う。理由の1つは「拡張性の限界」(Harty氏)である。

 NutanixのHCIや「VMware vSAN」などは、1ノードに搭載できるVMが少なく、クラスタも最大で64ノードまでである。Tintriなら、1ノードに7500台のVMを格納できる。

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