ハードから読み解くITトレンド放談

スマートフォンからサーバへ進出するARMプロセッサ(前編)

山本雅史 2018年01月18日 06時00分

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 ARMアーキテクチャのプロセッサは、主にスマートフォンやモノのインターネット(IoT)、組み込み機器(例えばNASやWi-Fiルータなど)で利用されている。AndroidスマートフォンやiPhoneなども、もとをたどるとARMアーキテクチャのプロセッサが使用されていることを見れば、スマートフォン分野においてARMアーキテクチャのプロセッサのシェアは限りなく100%に近いといえる。


サーバやPCではx86/x64プロセッサが主流だが、スマートフォンや組み込み機器などを加えた全てのプロセッサ市場で考えれば、圧倒的にARMプロセッサが市場を占有している(Qualcomm発表資料より)

 ただ、英ARM(以下、ARM社)がARMプロセッサをIntelやAMDのように製造・販売しているわけではない。ARM社は、ARMプロセッサの命令セットや基本的なアーキテクチャなどを決め、各社とライセンスを結んだ上で各種の技術情報を提供している(近年はプロセッサだけでなく、GPUに関しても設計情報を提供している)。

 ARMプロセッサの命令セットや基本的なアーキテクチャだけでは、プロセッサの実設計は難しい。そこで、ARM社がプロセッサのCPUコアを設計して各社に提供している。このCPUコアは、ライセンスを結んだ各社がデザインをそのまま半導体製造ファウンドリに委託し、ARMプロセッサとして製造している。

 ARM社とのライセンスに関しては、幾つかのレベルがある。1つは、ARM社が開発したCPUコア(Cortexシリーズ)を利用できるだけのライセンスだ。これは設計済みのCPUコアのため、プロセッサメーカーは自社の開発リソースが少なくても、比較的早くARMプロセッサを開発できる。

 これ以外にも、ARM社の技術情報をもとに、各社がプロセッサを設計できるようになるアーキテクチャライセンスなども存在する。アーキテクチャライセンスでは、ARM社が決めた命令セットやARMプロセッサの基本設計に従っていれば、独自にプロセッサを開発できる。一からの開発になるため、膨大なリソースを必要とするが、ARM社の提供するCPUコアでは実現していない機能を入れ込むことができる。

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