日立製作所がデジタルトランスフォーメーション(DX)支援の戦略商品である「Lumada(ルマーダ)」のグローバル展開に本腰を入れる姿勢を打ち出した。米国子会社を再編して戦略事業拠点を設け、グローバル市場でLumadaの存在感を高めていく構えだ。果たして日立の挑戦は実を結ぶか。
米国子会社を統合してDX事業の一大拠点を設置
日立製作所は先頃、日立グループの米国子会社であるHitachi Vantara(以下、日立ヴァンタラ社)とHitachi Consulting(以下、日立コンサルティング社)を統合し、「Hitachi Vantara」の名称を引き継いだ新会社を2020年1月に発足させると発表した。
両社の統合により、グローバルでの成長に向けてフロント機能とデリバリー機能を強化し、日立のITセクターにおける、顧客やパートナー企業との協創の拡大やサービス提供の迅速化に取り組んでいく構えだ。
とくに新会社は、グローバルなフロント機能とデリバリー機能の中核として日立グループ全体と連携することにより、DXによるイノベーションを加速する「Lumada(ルマーダ)」事業を牽引し、デジタル技術を用いた新たな価値の創造と社会課題の解決に取り組んでいくとしている。
今回統合する両社の背景は以下の通りだ。日立ヴァンタラ社は、これまで提供してきたストレージやクラウドサービスに加えて、Lumadaを中心としたDXソリューションのグローバル展開を推進するために、2017年9月にHitachi Data Systemsが社名を変更して発足した会社である。
一方、日立コンサルティング社は、世界各国でコンサルティングサービスやアウトソーシングサービス、DXソリューションを提供するグローバルカンパニーである。
両社を統合することにより、Lumadaを中心としたDXソリューションのグローバルなデリバリー力を強化し、顧客の課題解決やビジネスのDX化による価値創出と競争力向上を支援していく構えだ。
新会社は、コンサルティングを起点とした経営支援ソリューションサービスをはじめ、ITインフラストラクチャー事業やデータ活用の事業などを一体運営し、より機動的な体制を構築する。Lumadaと日立の各セクターの製品・システムを組み合わせることで、新たな製品やソリューションの提供を加速し、DX事業をグローバルに展開していくとしている。