経営全体におけるプロダクトの位置付けを考える
果たして、経営全体におけるプロダクトの位置付けを理解した上で、開発しているエンジニアはどれだけいるだろうか。 もし、マネジメントの道を目指すのであれば、もしくは多くのユーザーに使ってもらえるプロダクトに育てていくためには、ビジネスの視点が必要になってくる。
本連載の第1回で、「プロダクトライフサイクル」という、製品の導入から衰退までの推移を把握するためのフレームワークを紹介した。このプロダクトライフサイクルにポートフォリオの考え方を導入できるのが「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」の考え方だ。プロダクトライフサイクル上、導入期のプロダクトばかりだと投資フェーズのため費用がかさみ資金が枯渇する。一方、成熟期のプロダクトばかりだと、衰退期に入った際に新しい芽がなく心もとない。
事業におけるプロダクトの位置づけを把握できるフレームワーク プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(出典:グロービス学び放題「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」)
PPMでは、「問題児」「花形事業」「金のなる木」「負け犬」の4象限で事業を分析する。 上図のようにキャッシュを生む「金のなる木」のような事業からの資金を、新しい「問題児」の事業に投資して、さらに「問題児」の事業を「花形事業」に転換できるよう、うまくポートフォリオを組んでいくのが理想といえる。
当然だが、ソフトウェア開発にも予算が必要だ。往々にして花形事業に多額の予算が割り振られることが多いが、PPMの考え方を理解した上で、問題児のプロダクトに十分な開発予算を確保する交渉を進めたい。