マネージャーを目指すエンジニアのためのビジネスナレッジ

「戦わずして勝つ」--プロダクトが進むべき道をどう描くのか - (page 2)

末永昌也 (グロービス)

2020-07-03 06:00

経営全体におけるプロダクトの位置付けを考える

 果たして、経営全体におけるプロダクトの位置付けを理解した上で、開発しているエンジニアはどれだけいるだろうか。 もし、マネジメントの道を目指すのであれば、もしくは多くのユーザーに使ってもらえるプロダクトに育てていくためには、ビジネスの視点が必要になってくる。

 本連載の第1回で、「プロダクトライフサイクル」という、製品の導入から衰退までの推移を把握するためのフレームワークを紹介した。このプロダクトライフサイクルにポートフォリオの考え方を導入できるのが「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」の考え方だ。プロダクトライフサイクル上、導入期のプロダクトばかりだと投資フェーズのため費用がかさみ資金が枯渇する。一方、成熟期のプロダクトばかりだと、衰退期に入った際に新しい芽がなく心もとない。

事業におけるプロダクトの位置づけを把握できるフレームワーク プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(出典:グロービス学び放題「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」)
事業におけるプロダクトの位置づけを把握できるフレームワーク プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(出典:グロービス学び放題「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」)

 PPMでは、「問題児」「花形事業」「金のなる木」「負け犬」の4象限で事業を分析する。 上図のようにキャッシュを生む「金のなる木」のような事業からの資金を、新しい「問題児」の事業に投資して、さらに「問題児」の事業を「花形事業」に転換できるよう、うまくポートフォリオを組んでいくのが理想といえる。

 当然だが、ソフトウェア開発にも予算が必要だ。往々にして花形事業に多額の予算が割り振られることが多いが、PPMの考え方を理解した上で、問題児のプロダクトに十分な開発予算を確保する交渉を進めたい。

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