建築用内外装タイルなどの卸売業を展開する平田タイルは、基幹システムの受注および販売データを一元化し、外部データと合わせて分析可能なデータ活用基盤を構築し、5月から運用している。
この基盤の活用により、データ量が増加しても安定した性能で集計、分析が行え、データ分析範囲の拡大や外部データとの照合など、基幹システムの社内ビッグデータを多面的に分析できるようになった。また、「Oracle Analytics Cloud」を採用してこれに組み込まれた機械学習機能でトレンドを分析する。顧客の好みの変化を資材や市場ごとなどの多様な軸で分析するなど、より高度かつ多様なデータ分析およびタイムリーな分析結果の活用が可能になった。
同基盤には、「Oracle Autonomous Data Warehouse」と「Oracle Analytics Cloud」が採用されている。前者はデータウェアハウスのワークロードに最適化された自律型データベースクラウド。管理や監視、チューニング、スケーリングが自動化されるため、運用コストの低減や導入部門におけるデータベース担当者の運用管理の負担軽減に寄与する。
後者は、ビジネスの状況を直感的に把握できるダッシュボードや、さまざまなデータソースを組み合わせた分析を可能にするデータフローなどの機能を提供する。分かりやすいフロー形式で分析データを準備、加工することが可能で、複雑なロジックの変更も部門の担当者自ら実行することができる。
平田タイルの開発営業本部では、これまで市場の動向やトレンドを把握するため、基幹システムから抽出した売上、在庫、受発注データなどの定型レポートや全国の営業担当者による顧客へのヒアリング内容を利用していた。しかし、現状をより客観的に把握することへの課題意識が高まり、定型レポートに加えて顧客の行動データなどと照合を試みたが、データ規模が大きくなり表計算ツールでは十分に分析を行えない状態だった。