最近設立されたRust Foundationの初代会長としてAmazon Web Services(AWS)のシニアエンジニアリングマネージャーであるShane Miller氏が選出され、米国時間4月12日に正式に発表されるという。複数の消息筋が米ZDNetに対して明らかにした。Miller氏に確認したところ、「3月9日の会議で理事会によりRust Foundationの会長に選出された」とのことだった。
AWSのRustプラットフォームチームを率いるMiller氏は、ソフトウェアエンジニアとして30年近くの経験を有している。同氏はAWSでオープンソース戦略イニシアチブや、ソフトウェアのエンジニアリングおよびデリバリーのリーダーを務めてきた。Miller氏のRustプラットフォームチームには、Rust言語とコンパイラーのメンテナーやコントリビューターのほか、信頼性の高い非同期アプリケーションをRustで記述するための「Tokio」ランタイムの開発者がいる。Miller氏のリーダーシップの下、AWSのRustチームは、パフォーマンスと安全性というRustの利点を最大限に活用するサービスの構築、運用に向けてエンジニアが利用できる機能の最適化やツールを手がけている。
Miller氏はRust Foundationの会長として、Rustのメンテナーらが最善を尽くせるようにするとともに、コンピュートやストレージ、生産性ツールへの自己負担の費用の支出を減らせるよう彼らに権限を与え、財団の取り組みを強化していくことになる。Rust Foundationが共有する目標は、Rustを真にアクセスしやすいものにするための組織を構築することだ。Rustのメンテナーが自身やメンテナンスチームを成長させていく上で役立つ、リーダーシップやコミュニケーションのための訓練といったリソースにアクセスできるようにすることで実現する。その狙いは、コミュニティーの結束のみならず、オープンソースプロジェクトに初めて参画するような人々も含めてすべての人々を歓迎するというところにある。
Miller氏は「Rustの開発者コミュニティーと力を合わせ、より高速なパフォーマンスと、より優れたサステナビリティー、より多様でインクルーシブなエンジニアリングコミュニティーといった成果の達成に向けて取り組めるようになる」と述べた。
Rust Foundationには、Rustを当初から支援しているMozillaとともに、AWSやGoogle、華為技術(ファーウェイ)、Microsoftがメンバー企業として参加し、Rustの開発を支援している。同財団の創設メンバー企業は、サービスやプログラムの開発、Rustメンテナーの作業を支援するイベントのために100万ドル(約1億1000万円)を超える年間予算を2年にわたって約束している。
Rustは、システム開発時のCやC++のより安全な代替言語として普及しつつあるとともに、システム開発向け言語として人気の高いものの1つとなっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。