Rust Foundationの初代会長にAWSのRustプラットフォームチーム率いるミラー氏

Steven J. Vaughan-Nichols (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-04-12 10:36

 最近設立されたRust Foundationの初代会長としてAmazon Web Services(AWS)のシニアエンジニアリングマネージャーであるShane Miller氏が選出され、米国時間4月12日に正式に発表されるという。複数の消息筋が米ZDNetに対して明らかにした。Miller氏に確認したところ、「3月9日の会議で理事会によりRust Foundationの会長に選出された」とのことだった。

 AWSのRustプラットフォームチームを率いるMiller氏は、ソフトウェアエンジニアとして30年近くの経験を有している。同氏はAWSでオープンソース戦略イニシアチブや、ソフトウェアのエンジニアリングおよびデリバリーのリーダーを務めてきた。Miller氏のRustプラットフォームチームには、Rust言語とコンパイラーのメンテナーやコントリビューターのほか、信頼性の高い非同期アプリケーションをRustで記述するための「Tokio」ランタイムの開発者がいる。Miller氏のリーダーシップの下、AWSのRustチームは、パフォーマンスと安全性というRustの利点を最大限に活用するサービスの構築、運用に向けてエンジニアが利用できる機能の最適化やツールを手がけている。

 Miller氏はRust Foundationの会長として、Rustのメンテナーらが最善を尽くせるようにするとともに、コンピュートやストレージ、生産性ツールへの自己負担の費用の支出を減らせるよう彼らに権限を与え、財団の取り組みを強化していくことになる。Rust Foundationが共有する目標は、Rustを真にアクセスしやすいものにするための組織を構築することだ。Rustのメンテナーが自身やメンテナンスチームを成長させていく上で役立つ、リーダーシップやコミュニケーションのための訓練といったリソースにアクセスできるようにすることで実現する。その狙いは、コミュニティーの結束のみならず、オープンソースプロジェクトに初めて参画するような人々も含めてすべての人々を歓迎するというところにある。

 Miller氏は「Rustの開発者コミュニティーと力を合わせ、より高速なパフォーマンスと、より優れたサステナビリティー、より多様でインクルーシブなエンジニアリングコミュニティーといった成果の達成に向けて取り組めるようになる」と述べた。

 Rust Foundationには、Rustを当初から支援しているMozillaとともに、AWSやGoogle、華為技術(ファーウェイ)、Microsoftがメンバー企業として参加し、Rustの開発を支援している。同財団の創設メンバー企業は、サービスやプログラムの開発、Rustメンテナーの作業を支援するイベントのために100万ドル(約1億1000万円)を超える年間予算を2年にわたって約束している。

 Rustは、システム開発時のCやC++のより安全な代替言語として普及しつつあるとともに、システム開発向け言語として人気の高いものの1つとなっている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

  4. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  5. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]