日本オラクルは、企業の広告、プロモーション、イベント、映像などの制作支援を行うレイが、社内業務システム運用基盤の標準クラウドとして「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)を採用したと発表した。
「Oracle Database Cloud」を含めたOCIで稼動するのは、これまでシステム要件に合わせて異なるクラウド環境で稼働していた会計/人事システム「SuperStream」、ワークフローシステム「X-point」、アプリケーション開発基盤「FileMaker」などの主要な業務システム、オンプレミス環境にあった基幹システムだという。
2018年11月に技術情報共有システムをOCIで稼動を開始し、その後徐々に移行を進め、現在16のシステムをOCIで稼動している。
同社は将来的な業務システムの全面クラウド移行を目指し、ウェブサーバーやメールサーバーといったセキュリティ要件などの軽微なシステムからクラウド移行を行ってきた。
だが顧客の案件受注、支払いなどを行う基幹システムは、データセキュリティやクラウド移行後のデータ転送料などのコスト増加の懸念により、オンプレミス環境で運用していた。
さらに従来クラウドで稼動していたシステムでは、業務システムの増加や複数のパブリッククラウドでの運用管理の複雑化、異なるクラウド上にあるシステムの連携、グループウェアでのデータ増加によるパフォーマンスの低下などの課題が生じていた。加えて基幹システムでは、システム更改時のハードウェアのサポート存続への危惧、ハードウェア改修のコストと手間が課題となっていた。
OCIの導入により、基幹システムのハードウェア障害対応や複数クラウドにおける運用管理の負担が軽減されたほか、移行作業においては、アプリケーションのマイナーチェンジ検討など、移行の検証時にルートコピーでできるため、これまで半日かかっていた作業時間を1クリック、15分程度に短縮できた。また性能向上により日次、週次でのシステムバックアップ時間を約60%短縮できたなど、IT部門の作業時間軽減にもつながっている。
OCIについてレイでは、ストレージの価格、データ転送料など変動の少ない総コスト、安定運用のための性能、細かく設定が可能なセキュリティ、「Oracle Database Cloud Service」の実績などを高く評価している。