中外製薬は9月、国内外のグループ会社を含む従業員約8000人を対象に、コミュニケーションツール「Unipos」を導入した。同サービスを提供するUniposが9月26日に発表した。
同ツールでは、従業員同士が「貢献に対する称賛」と「少額のインセンティブ」を送り合う機能により、組織を変える行動の増加を図る。経営と現場、部署間、上司と部下間の関係性を改善し、従業員の離職予防や生産性向上を支援する。
中外製薬では、ユーザーが感謝している相手にメッセージとポイントを送付すると、そのメッセージが全社に公開される。他の従業員は共感したメッセージに「拍手」というリアクションをすることで、称賛の気持ちを伝えられる。たまったポイントはユーザーが選択した社会貢献活動団体へ寄付する形を取っており、これにより企業風土の改革と共に持続可能な開発目標(SDGs)の推進も期待される。
中外製薬は2030年に向けて、成長戦略「TOP I 2030」を策定。2022年度には「働きがい改革」を開始し、自律的・能動的な人材の育成に注力している。その一環として、組織のメンバー同士が承認・称賛し合う「ソーシャルレコグニション」に関するプログラムの導入を決定し、Uniposを採用した。
同ツールにより中外製薬は、自社の価値観やコンピテンシー(優秀な人材に共通する行動特性)に沿った良い行動を認め、感謝や称賛の気持ちを伝え合うことで、従業員一人一人の自律的な成長を図っている。また、海外関連会社を含めたグループ全体で同ツールを利用することにより、部門やグループ企業間の連携を促し、互いに高め合える環境の醸成を目指している。