プライベートクラウド、SOA、BPMの導入--ふたつの道筋を示すSoftware AG

大川淳 撮影:中村浩二

2009-06-09 01:05

 かつてないほど厳しいといわれる経済状況のなか、情報システム部門の人々の前には複雑極まりない問題が立ちはだかっている。いっそう過酷なまでのコスト削減を要求される一方で、さらに効率化を迫られるなど、両立させることが非常に困難な2つの要因が、峻険な山のようにそびえたっているのだ。

 大型汎用機全盛期から、クライアント/サーバー型主流の時代を経て、ウェブ興隆期へ――こうした時代の変遷の中で、一貫してITの改良に取り組んできた企業の1つであるソフトウエア・エー・ジーは、これらの難題に対する解決策を提示している。

 同社のソリューションコンサルティング ウェブメソッド バイスプレジデントとして、SOA(Service Oriented Architecture)とBPM(Business Process Management)で企業へのソリューション提案の最前線で采配を振るう木村礼壮氏に、ZDNet Japan編集長の冨田秀継が、その戦略と方法論を聞いた。

エンドユーザーとベンダーの対話が「サイロ化」を打ち崩す

 冨田:ZDNet Japanが開催する「ビジネス・アプリケーション カンファレンス」のテーマは、「不況に打ち勝つビジネスアプリケーションの構築」です。木村さんに講演で語っていただくのは、「現在の追い詰められた状態からの解放」ですが、追い詰められた状況とはどのようなことを指すのでしょう。

木村礼壮氏 木村礼壮氏

 木村:さまざまな局面が考えられますが、経済不況だけでなく、ITの領域にも行き詰まり感があります。

 IT投資は本来、成長、課題の解消、企業戦略改善のために使われるべきですが、予算の7割以上はシステムの維持や保守のために割かれているのが現状です。

 もう1つ問題があります。従来、ITは部分最適を実現させましたが、全体最適はできていないことが多いのです。しかも、各部門ごとにクローズした最適化が行われており、単一のアプリケーションに拘束され、アプリケーション間に壁ができているような最適化しかできていません。

 ITに対する期待が下がってきていると言われ始めていますが、企業のCIOやIT業界も危機感を抱くようになり、追い詰められていると感じているのです。

 冨田:IT投資の多くが維持と保守に費やされてしまうという実情にありながら、我々はどうすれば前進的な分野にもっと投資をまわせることができるのでしょうか。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. セキュリティ

    ブラウザの可能性を Google Chrome Enterprise で追究、セキュリティ実現には?

  3. ビジネスアプリケーション

    NTTグループが17万ユーザーの決裁システムを抜本的に改革、プロジェクトの鍵を握るサービスとは

  4. ビジネスアプリケーション

    データリーダーが知っておくべき、AI活用の投資対効果を高める「実効性のある戦略策定」の進め方

  5. モバイル

    目前の「Windows 10」サポート終了、「Windows 11」への移行負担を解消する最適解とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]