その他の機能
JDeveloperではクラス図、シーケンス図、アクティビティ図、ユースケース図といった主要なUMLダイアグラムがサポートされている。プロジェクト内のクラスをドラッグ&ドロップでダイアグラムに貼り付けることもでき、その場合ダイアグラムに加えた修正はJavaソースコードをにもリアルタイムに反映される。

JDeveloperの大きな特徴の1つとして、EJB3やJSFといったJava標準仕様のサポート以外に、独自のOracle ADF(Application Development Framework)フレームワークサポートが挙げられる。
ADFはSwingアプリケーションからWebアプリケーションまで幅広い領域をサポートするMVCフレームワークだ。ADFを利用することでデータベース等からデータコントロールを作成し、JSPやSwingの画面にドラッグ&ドロップするだけで入力フォームや一覧表などを作成することができる。データベースに対して単純な登録、更新、参照を行うような画面であればほとんどコードを書かずに実装することが可能だ。

まとめ:業務アプリケーションの開発に向いたIDE
JDeveloperはコードの記述効率よりも、自動生成や開発のビジュアル化による作業効率の向上を目指したIDEだ。もちろんJDeveloperも最近のIDEの例に漏れずコード補完やリファクタリングなどの機能を備えているが、Eclipseと比べると弱い。
そして、様々な機能の中で最大の魅力はOracleデータベース、アプリケーションサーバおよびTopLinkやADFといったOracle製品との相性のよさだろう。こうした点からJDeveloperは「業務アプリケーションの開発に向いたIDE」だといえる。
なお、本稿で取り上げたJDeveloper 11gテクニカルプレビュー版には10gでサポートされていたStruts関連の機能などが含まれていない。しかしこれはテクニカルプレビュー版があくまで新機能のプレビューを目的としているためで、正式版ではこれまで同様サポートされることになるだろう。
Java IDEの老舗であるJBuilderもEclipseベースに移行するなど、現在のJava IDE市場は完全にEclipseが中心となっており、NetBeansがその対抗馬と目されている。Oracle自身もEclipseファウンデーションに参加しており、OracleのEclipseへの関わり方、そして、独自路線を歩んでいるJDeveloperの今後に注目したい。