進化するテレビ会議(4)--ポリコム:会議の質を変えるHD対応からテレプレゼンスへ - (page 2)

田中好伸(編集部)

2008-02-29 12:00

 現在日本で提供されている同シリーズの製品は主に3つ。役員室や小さな部屋向けにビデオ会議を開催できる「HDX 4000」と会議室向けの「HDX 8000」、大会議室や講堂など大きな場所でのビデオ会議を展開するための「HDX 9000」だ。

 HDXシリーズには、同社独自の音声技術である「Siren22」が搭載されている。この技術は、「HDの会議にふさわしい音質を提供するもので、長時間の会議で生じる疲れを低減できる」(青木氏)という。

 また、HDXシリーズでは、「ネットワークへの親和性」を考慮しているという。具体的に挙げられるのが「Losted Packet Recovery(LPR)」と呼ばれる技術だ。これは、冗長パケットを送信することで、パケットロスによる影響を小さくするというもの。パケットロスの影響が小さくなることで、会議が中断されるという事態を防ぐことができるのである。先に挙げたSiren22もネットワークへの親和性を考慮された技術だ。Siren22は、高品質の音声圧縮方式の一つである「AAC」よりも、要求するネットワーク帯域が半分程度ですむという。

顔を見て話すことで理解度が一段と進む

 ポリコムのHD対応のビデオ会議システムは実際のところ、どのように利用されているのだろうか。

 米国のある保険会社では、在宅勤務者の管理にビデオ会議システムを活用しているという。この保険会社では従業員の70%以上が在宅勤務であるため、その管理はもとより、コミュニケーションの希薄化が最大の問題として認識されていた。従業員とのコミュニケーションが欠かすことのできない、重要なものとの認識があるものの、実際には管理者の負担が大きなものとなっていたのである。

 そこで同社は、HD対応のポリコム製ビデオ会議システムを導入。リアルタイムで情報共有できるというメリットを得られるようになっている。お互いの顔を見て話すことで理解度が一段と進むことに加えて、HDの映像と音声を活用することで、遠隔地同士の対話の不自然さや不自由さを感じることはなくなっているという。こうした状況から、ビデオ会議システムの利用が促されることになり、さらにコスト効果が高まるという、いいスパイラル現象を生み出している


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