注目の中「Oracle OpenWorld Tokyo」開幕--経済低迷期にITが提供できる価値とは

ZDNet Japan Staff

2009-04-22 16:56

 4月22日、東京・有楽町の東京国際フォーラムにおいて、日本オラクルとOracle Corporationの共催によるイベント「Oracle OpenWorld Tokyo 2009」が開幕した。会期は24日までの3日間。

 米国時間4月20日に発表された、OracleによるSun Microsystemsの買収というビッグニュース直後というタイミングもあってか注目度は高い。開幕初日となる22日の午前中には、基調講演が行われるホール棟の入り口に長蛇の列ができ、開始時間が若干ずれ込むというハプニングもあった。

*** Oracle OpenWorld Tokyoの開幕日、基調講演が行われた東京国際フォーラムのホール棟には多数の聴講者が詰め掛けた。

 22日、「企業ITの最適投資 − エンタープライズ・アプリケーションの現在と未来」と題して基調講演を行ったのは、Oracle Corporation、インダストリー・ビジネスユニット担当シニア・バイスプレジデントのSonny Singh氏だ。

 業種別市場戦略の推進を担当するSingh氏は、まず「Complete+Open+Integrated」という同社の戦略の核となる3つのポイントについて改めて説明した。

Sonny Singh氏 Oracle Corporation、インダストリー・ビジネスユニット担当シニア・バイスプレジデントのSonny Singh氏。

 「Complete」は、あらゆる業界と業種に対応する「完全性」を指す。Singh氏は、通信業界向けソリューションを例に挙げ、2004年の段階でミドルウェアとデータベース、およびERPアプリケーションの分野までしかカバーしていなかったOracle製品が、現在では、通信業界に特化したビジネスオペレーション、分析業務、サービスデリバリ、商品デザインを含む、ほぼ完全なポートフォリオになっている点を強調。「通信業界に限らず、全世界の多くのトップ企業が、Oracleのソリューションを利用している」とアピールした。

 2番目の「Open」は、標準的なテクノロジーをベースとしたオープン性を意味するもの。JavaやBPELといった標準に準拠したアーキテクチャを採用すると同時に、標準化作業そのものに対する貢献を重視しているという。Singh氏は、「Oracleは閉鎖的なテクノロジによる独占を目指してはいない」と述べ、顧客のリスクの低減と選択肢の増加を目的としたオープンへの取り組みを続けているとした。こうした取り組みの成果が最も強く表れているのが、データベースとアプリケーションの中間のレイヤに位置し、SOAをベースとして全社共通のITサービスを統合する「Oracle Fusion Middleware」の製品群であるとした。

 3番目の「Integrated」(統合)は、「アプリケーション統合」を意味する。Oracleのアプリケーションと、他社のアプリケーションの混在環境を、Application Integration Architecture(AIA)に基づき、標準実装されたビジネスプロセスをベースに統合する。あらゆるバックエンドからのデータを統合し、利用形態に応じたフロントエンドに出力できる環境を整えることによって、高度なコラボレーション環境と高い柔軟性、システムコストの削減を実現するという。

 「Oracleでは、これまでに400億ドル以上をかけた買収合併と、100億ドル以上を投じた研究開発によってポートフォリオを拡大し、その実現に取り組んでいる」(Singh氏)

各エリアのベスト企業を買収 同社がポートフォリオ拡大のために、これまでに買収合併してきた企業群。壮観だ。Sun Microsystemsの名前は、どの分野に書き加えられることになるのだろうか。

経済低迷期の勝者になるためのIT戦略とは

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. ビジネスアプリケーション

    新規アポ率が従来の20倍になった、中小企業のDX奮闘記--ツール活用と効率化がカギ

  3. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  4. セキュリティ

    「どこから手を付ければよいかわからない」が約半数--セキュリティ運用の自動化導入に向けた実践ガイド

  5. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]