再入門:運用管理ソフトウェアって、そもそも何? - (page 2)

岩上由高(ノークリサーチ)

2009-07-21 12:49

2-1. 広い網羅性が強みのJP1 ver9

 国内でも最も導入実績の多い日立製作所の運用管理ソフトウェア「JP1」。その最新バージョンが「JP1 ver9」である。JP1はジョブ管理で特に評価の高い製品だが、クライアント環境の運用管理でも豊富な機能を有している。

 クライアントPCの運用管理は中堅、中小企業が抱える課題でもある。リモートでクライアントPC設定を一括制御し、資産管理、セキュリティ、コンプライアンスを効率的に実現するといったソリューションの充実が今後期待される。

日立製作所の運用管理ソフト「JP1」(画像をクリックすると拡大します) 日立製作所の運用管理ソフト「JP1」(画像をクリックすると拡大します)

2-2. サーバ同梱運用管理ツールとの親和性が高いSystemwalker

 「Systemwalker」は富士通製の運用管理ソフトウェアである。同社のPCサーバに付属する運用管理ツールである「ServerView」は、PCサーバ同梱ツールの中では比較的評価が高い。

 SystemwalkerではServerViewとの緊密な連携が図られており、富士通製サーバを基盤としたシステム運用における負荷軽減が強く意識されている。基幹系業務システムを中心としたインテグレーションに強みを持つ富士通の特色が良く表れているといえる。

富士通の運用管理ソフト「Systemwalker」(画像をクリックすると拡大します) 富士通の運用管理ソフト「Systemwalker」(画像をクリックすると拡大します)

2-3. クライアント環境の仮想化も視野に入れたMicrosoft System Center

 マイクロソフトの運用管理ソフトウェア「Microsoft System Center」の特徴は、仮想化環境への対応だ。

 JP1 ver9やSystemwalkerも含め、各製品いずれもサーバの仮想化対応については物理サーバ、仮想サーバを一元的に管理する機能を備えている。Microsoft System Centerではそれに加えて、クライアントPCの仮想化環境も視野に入れている。

 Microsoft SoftGrid(新名称:App-V)はアプリケーションをカプセル化してクライアントPCに配信し、個々のクライアントPC環境に依存しない安全な隔離環境上で動作をさせる技術(アプリケーションの仮想化)である。クライアントPCのOSで圧倒的なシェアを持つ同社ならではの取り組みといえるだろう。

マイクロソフトの運用管理ソフト「System Center」(画像をクリックすると拡大します) マイクロソフトの運用管理ソフト「System Center」(画像をクリックすると拡大します)

2-4. シンプルさが特徴のHinemos

 「Hinemos」はNTTデータが提供するオープンソースの運用管理ソフトウェアである。

 SIerがシステム運用を行う場合、数多くの無償ツールを組み合わせて活用することが少なくないが、Hinemosはそうした時の煩雑さを解消することを目指している。そのため、他の商用製品とは異なり、複数の異なるパッケージの集合体ではなく、運用管理に必要な機能をひとつにまとめた形態となっている。

 商用製品と直接競合する位置付けではなく、SIerが従来から利用していた無償ツールを置き換えるものとして今後徐々に普及していくと予想される。

NTTデータの運用管理ソフト「Hinemos」。オープンソースとして提供されている(画像をクリックすると拡大します) NTTデータの運用管理ソフト「Hinemos」。オープンソースとして提供されている(画像をクリックすると拡大します)

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