NTTデータは2月1日、金融機関向けの市場リスク管理、ALM(Asset Liability Management)システムである「Banking Analyze Master」の全機能を提供開始したことを発表した。また同日より、最初のユーザーとして横浜銀行が同製品の本格利用を開始することも合わせて発表された。
Banking Analyze Masterは、高度な市場リスク管理、ALMを目的としてNTTデータが企画開発した製品であり、2009年12月に完成した。同製品を導入することで、従来、個別に管理されてきた預金や貸出といった預貸系取引と、債券やオフバランス取引といった市場系取引を統合管理し、高度なリスク管理、ALMが可能になるとしている。
特徴としては、銀行勘定(預貸・市場)のすべてを、統一プラットフォームにて管理し、現在価値、感応度、VaR(Value at Risk)、マチュリティラダー、将来シミュレーションなどの機能を利用することによって、各種経営管理指標の一体管理が実現できる点。分析や金融庁、日本銀行向けの報告資料作成にあてられていた人的コストも大幅に削減できるとする。さらに従来、数千件レベル(集約データ)で計測していた各種指標を、数十万件レベル(明細ベース)で高速実行する分散処理機能を搭載しており、より精緻な計算が実現できるという。
最初のユーザーとなる横浜銀行では、1月4日から日次処理の機能、2月1日から月次処理の機能を含めた全機能を利用開始するほか、現在、北陸銀行、北海道銀行、百十四銀行を含む5行の地方銀行で導入プロジェクトが進行しているという。NTTデータでは、2014年末までに導入金融機関数30行を目指す。