(編集部より:連載「ITコミュニケーションのお作法」では、主に新社会人に向け「仕事」としてメールやウェブサービスを使っていく際の心構え、ツールの紹介などを7回にわたって掲載する。筆者の後藤康成氏は、3月1日にスタートした「feedpath Rooms」などのウェブサービスを提供するフィードパスのCTOである。前回の記事はこちら)
この連載では、主に企業内コミュニケーションに使われるITツールについて、機能別の特徴を紹介している。今回は、企業で利用する「ブログ」や「SNS」について見ていこう。
ブログは2004年ごろから、かつての「ホームページ」に代わる、個人向けの情報発信サービスとして普及し始め、今では個人の情報発信プラットフォームとしての地位を確立している。日常的に起こったことを書いている日記形式のブログから、特定のジャンルにフォーカスした情報を発信しているブログまで、ブログのテーマは千差万別である。
ブログのブームとほぼ前後して登場した「mixi」や「GREE」などのSNS(ソーシャルネットワークサービス)も、その後日本のインターネットを席捲した。「Facebook」や「MySpace」といった米国発のSNSも、ワールドワイドに普及しており、現在では日本での利用者も多い。
ブログとSNSの違いを簡単に表すとすれば、ブログは「個人」の情報発信プラットフォームであり、SNSは「個人と個人のネットワーク」を構築するプラットフォームだと言えるのではないだろうか。
ブログが、各「エントリ(記事)」に対する「コメント」と「トラックバック(ブログのエントリから、関連する他のエントリにリンクしたことを通知する機能)」で、エントリを中心とした情報の連関を構成するのに対し、SNSでは「個人」と「個人」のつながりから様々な情報交換が行われる。「個人」のつながりは、様々なテーマについてのコミュニティを生み、活発な情報発信や情報交換が行われる。
ネットサービスの特徴として、コンシューマーで火がついたサービスは、コンシューマーでの普及後に、ビジネス分野向けに利用される傾向がある。ブログやSNSも例外ではなく、個人向けブログ、SNSが普及した2年後の2006年頃から、「企業向けブログ」が登場している。
企業向けブログには、企業のコーポレートサイトなどのウェブサイトを構築し、顧客に向けた情報発信として利用する「マーケティングブログ」と、従業員向けの情報発信、情報共有ツールとして利用する「社内ブログ」がある。