マイクロソフト、JavaScript性能分析・ベンチマーク研究プロジェクト「JSMeter」

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子

2010-03-26 13:11

 MicrosoftでJavaScript周辺を探求しているのは、Internet Explorer(IE)チームだけではない。Microsoftの研究者も、「JSMeter」というプロジェクトの下で、Microsoft(とおそらくは他の企業も)がJavaScriptランタイム性能に関する見解を変える--最終的には影響を与える--ような作業を進めている。

 JSMeterは新しいプロジェクトではないが、わたしはMicrosoft Channel 9に掲示された最新のビデオでこのプロジェクトについて知った。プロジェクトを進めているのは、Microsoftの研究者、Ben Livshits氏とBen Zorn氏で、ビデオのインタビューで興味深い点を指摘している。両氏はここで、IEの実装を取り出し、ソースコードを変更して「Bing Maps」「Facebook」「Gmail」などのウェブアプリケーションの性能に与える影響を調べた方法を説明している。

 JSMeterチームは、これらの大規模なウェブアプリケーションの性能を正確に反映する新しいベンチマーク手法の必要性を説明し、既存のベンチマークは現実世界への価値がほとんどないと主張している。MicrosoftのIEチームも先日、「Interent Explorer 9」の開発者プレビュー公開の際に同じような見解を示していた。IE 9のプラットフォームプレビューには、「Chakra」という開発コードを持つ最新のJavaScriptエンジンが搭載されており、性能を改善するといわれている。

 Microsoft Researchのウェブサイトで公開されているJSMeterのホワイトペーパーによると、研究チームは「JavaScriptランタイムの動作について2つの分野」の測定を調べているという。2つの分野とは「1)ファンクションとコード、2)イベントとハンドラ」で、「ベンチマークは多くの現実のウェブサイトを反映しておらず、ベンチマークの測定は誤解を招いているという可能性からこの結論に達した」と記している。

 ホワイトペーパーには以下のような記述もある。

われわれの測定により、いくつかの重要な追跡調査が必要であることがわかった。これには、より的確に示すベンチマークを構築すること、われわれが観測した現実世界の動作を効率よく実装するようJavaScriptエンジンを修正すること、われわれが報告したような測定データを出すことができる開発ツールを構築すること、などがあるだろう。

 Microsoftは2010年6月、米ボストンで開催される「Web Applications ‘10」にてJSMeterを紹介する予定だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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