Microsoftは米国時間4月26日、「Windows Home Server(WHS)」(開発コード名「Vail」)のベータ版を公開した。
Vailのコミュニティテクノロジプレビューがウェブ上にリークしたのは、2010年1月のことだ。当時の記述によると、VailはホームユーザーとSOHOユーザー向けで「オンプレミスとクラウドの両方の技術」を土台に構築されているとのことだった。
Microsoftの代表者は4月26日付けでVailの概要を公開しているが、具体的な情報はあまり開示されていない。
Windows Home Serverブログで、MicrosoftはVailは64ビットのみに対応することを認めている。Vailはまた、「4つの主要な分野」での改善を行ったという。これには、メディアストリーミングを「家庭やオフィス外」に拡大する機能、複数台のPCバックアップとリストア、設定と使い勝手の簡素化、パートナー向けツールとカスタマイズ機能の拡張が含まれる。
ベータ版は英語のみとなり、Vail向けにアドインアプリケーションを開発できる最新のソフトウェア開発キット(SDK)を含む。Vailのインストール要件は1.4GHz以上のx64プロセッサ、1Gバイト以上のRAM、160Gバイト以上のハードディスクドライブとなっている。正式版は、OEMやシステムビルダーのPCに事前インストールしての提供となる。
Vailの初期ビルドに関わったというある顧客によると、Vailは「Windows Server 2008 R2」をベースとし、「透明性のある“仮想”(遠隔)アプリケーション」をサポートするという。
この顧客は匿名を条件に、「『Windows Media Center』は現在、リモートシステムでの保護されているコンテンツの伝送をサポートしていない(ケーブルカードのHD形式のプレミアムコンテンツのように)。『Xbox』は例外だが」と語った。
「この理由は、通常のストリーミングではDRMバリューチェーンが機能しないからだ。伝送層からディスプレイまで、クライアント側のDRMバリューチェーンの完全性を検証する仮想アプリケーションと信頼できるメディアバリューチェーンを組み合わせることで、Xboxのように保護されたコンテンツを表示できるようになる。これにより、十分な帯域があれば、ホテルの部屋でHD形式でサッカーの試合を観るといったことが可能になる。かなりクラウド的な仕組みだ。同じメカニズムを利用して、他のクラウドスタイルのアプリケーションも、サーバが対応すれば可能となる。加工できないバーチャルアプリケーションとクライアント側のセキュリティを証明する機能を組み合わせる、これは非常にパワフルで、多くの難しい問題を解決できる」と続けた。
Microsoft側は正式版の出荷時期について公開していないが、製品は年内に登場予定という情報を聞いた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ