スーパークールビズからIT戦略を考える - (page 2)

どう思われたいか？

「そうだなぁ…やっぱり“センスがいい常識人”かな」

「あ、部長のオシャレは“センスがいい常識人”ってところに価値があるんですね。あと、部長の周囲でも誰でもいいですけど、コイツには負けたくないっていうのあります？」

「そうねぇ…宮本君も知ってるIT子会社のB社長。あの人には、オシャレのセンスで負けたくないなぁ」

「そうですかぁ。でも、B社長って背が高くて色も浅黒くて、そもそも格好良く見えるから、それよりも良く見えるって結構大変ですね。トータルコーディネートで勝つか、どこか一点で勝つか、どっちがいいですかね？」

「俺さ…実は、靴が好きなのよ。靴にはいろいろとこだわりあってさ。人間の足元はやっぱり重要だと思うし、実はいいもの履くようにしているんだよね」

「やっぱり。僕、部長の靴、いいもの履いているなぁって思っていました」

「俺は、やっぱりここで勝負かなぁ」

「でも、トータルはどうするんですか？」

「うぅん、難しいね…。でも俺、セレブじゃないから、他はほどほどに恥ずかしくない程度にって感じかなぁ」

「で、部長、この服、どこに着ていきます？」

「うぅん…まずは会社でしょ？　それからゴルフかなぁ…。後は年相応にあるベンダーさんの合宿とか業界団体の合宿とか同窓会とかかなぁ…」

「娘さんや奥さんとのデートは？」

「お！　そういうのもできるようになるといいねぇ」

「なるほど。じゃ、そういうシーンでセンスがいい常識人として、絶対B社長には負けないように見られたいと。じゃ、基本的なアイテムとしてジャケット、シャツ、パンツ、ソックス、靴、時計くらいが必要ですかね？　そのうち、靴だけは、こだわりをもって突出させる方向で」

「うん、そうね」

「じゃ、ジャケットとかシャツ、パンツなんて、どうします？」

「うぅん…値段も張らないけど、センスがいい…そういうところを探して買うんだろうなぁ」

便利なファストファッション

「なるほど、僕も良くは知らないんですけど、最近は流行もなんか変わっているみたいです。最近は細身が増えてますよね」

「あぁ言われてみれば、みんな細いの着てるね。少しくらい、流行を追った方がいいのかなぁ」

「いいんですか？　そうすると買い替えがしょっちゅうおきますよ」

「おぉ、そうだね。まぁでも、しようがないかな。最近はそれこそファストファッションだと買えるんでしょ？」

「そうですね。それがIVYなのかどうかはちょっとおいといて、靴下と時計は？」

「おぉ、それもいるねぇ。あった方がいいねぇ」

「結構な値段しそうですね。じゃ、どこで買いましょうか？　全部一緒に買います？　それとも、別々に買います？」

「うぅん…ジャケットとパンツは折角だし、きちんとしたいいモノを持っておいて、使い回しが効くようにしたいね。ネクタイとシャツと靴下は、ま、流行もあるかもしれないから、ちょっとオシャレだけど、安いもので良くて、シーンに合わせて変えられるようにするのがいいかもね。時計は…悩むね……欲しいけどな…ま、前から持ってるオメガ。これは、そのまま使おうかな」

「なるほど。じゃ、これ総額でいくらくらいですかね。ま、10万円くらいですかね。それで、部長はどこで買いますか？」

「ま、ジャケットとパンツは、いつもスーツを仕立てているところがいいかなぁ、体型の問題もあるし。後はファストファッションで流行りのところを探して買うよ」

「じゃ、部長。最後の質問です。いつ、買いに行きましょうか？」

「明日…ってわけにもいかないからねぇ。家内にも申請して承認もらわないといけないし…。でも、ジャケットは仕立てるから一定の日数もかかるし、一気に俺の服を10万円買うっていうと、家内怒るからなぁ……。まずはファストファッションで俺が着ても似合うシャツを数枚見繕って、家内がそれなりに賛同してくれたら、まずは靴買って、春のボーナスでジャケットを買うって感じかなぁ」

「はい、じゃ、そうしましょう」

（編集部より：部長のファッションがどうあるべきかで盛り上がりました。一つもITの話が出てきませんでしたが、この会話がIT戦略の本質へとつながります。続きは8月25日に掲載予定です）

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