ヴイエムウェアは3月22日、アジア太平洋地域の企業で働く約2000人を対象にした職場のIT環境に関する利用動向調査「VMware New Way of Work Study」の結果を発表した。セキュリティに対する意識の高さを背景に、よりリスク管理の厳しいモバイル端末の業務活用に企業が慎重になっている日本の現状が浮かび上がったと分析している。
調査結果によると、日本企業の71%が会社支給のノートPCの社外持ち出しを禁じられているという。個人所有の端末から社内データベースにアクセスしたことがないというのが83%となっていることとあわせて、企業はデータ漏洩やセキュリティを懸念し、外部からのアクセスやIT機器持ち出しを厳しく制限していることが明らかになっている。
日本企業の場合、「業務に利用できる個人のモバイル端末が厳密に定められている」のは73%と、個人端末の業務利用に慎重という姿も見えてきている。日本の場合「個人所有の端末を仕事で使用している」のは22%となっている。1位の韓国が96%、2位の中国が94%、3位のタイが90%となっており、日本では“私物解禁”とも“BYOD(Bring Your Own Device)”ともいわれる状況が進んでいないことが明らかになっている。
自宅や移動中に仕事をする割合は37%となっており、リモートワークの浸透度も同域内で低い水準だ。1位は中国の88%、2位はインドの87%、3位は韓国の82%となっている。ヴイエムウェアでは、セキュリティを重視しているために日本は多様で柔軟な働き方が確保されておらず、有事や緊急時の業務運営に課題があると分析している。
個人所有端末の業務利用について「与えられた仕事を効果的にこなせる」が64%、「効率的に業務を終わらせることができる」が62%と、従業員は生産性向上の点でメリットがあると認識していることが分かる。結果的に「ストレスなく仕事ができる」が60%となっており、ワークライフバランスの改善に寄与できるという声もあると説明している。
調査は1~2月に実施され、日本のほか豪州、中国、香港、インド、マレーシア、シンガポール、韓国、台湾、タイの従業員1000人以上の多国籍企業に勤務する男女2077人、うち日本は男女210人を対象にしている。