3月の半ばから「Dlife」という新しいBSのチャンネルがスタートしている(258ch)。
ふだんは「ロスト」「デスパレートな妻たち」「グレイズ・アナトミー」といったシーズン遅れの海外ドラマ、あるいはアカデミー賞の司会や『アメリカンアイドル』の審査員も務めたエレン・デジェネレス(Ellen DeGeneres)がホストを務める人気トーク番組「エレンの部屋」など、もっぱら女性向けの番組を流している。
そんななか、なぜだか早朝の時間帯に経済ニュース「Bloomberg West」を放送している。(ZDNet Japan編集部 5/18注記:残念ながら4月いっぱいで打ち切り、5月から「BBCワールドニュース」になったようです…)
Bloomberg Westは、ニューヨーク(Bloombergの本拠地)ではなくサンフランシスコ発の番組で、内容はもっぱらシリコンバレーなどのテクノロジー企業の話題ということもあり、またホストのエミリー・チャン(Emily Chang)がいい意味で「場違いなキャラ」とでもいうような魅力を発しているせいもあって、このところよく観るようになっている(註1)。
これから記すのは、このBloomberg Westのテレビ放送で目にした話のひとつである。
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アップルの「予想株価1000ドル」について
先週(4月第1週)のなかばに、アップルの予想株価(ターゲットプライス)について「1000ドル」台を予想するレポートが出され、一部で話題になっていた。
- アップル、時価総額で2014年に初の1兆ドル突破か--アナリスト予想 - (CNET Japan 4月4日)
この「4ケタ台」の数字を出してきたのは、「アップル番」として比較的知名度がある2人の金融系アナリスト——ひとりは上記のCNET Japanの記事にも出てくるパイパー・ジェフリーのジーン・マンスター(Gene Munster:かなり前から「アップルのテレビ市場進出」を予想している人物でもある)、そしてもうひとりがブライアン・ホワイト(Brian White)という人物である(CNETで検索すると「Ticonderoga SecuritiesのBrian White」として出てくる記事がいくつか見つかるが、最近Topeka Capital Marketsという別の会社に移っている)(註2)。
Bloomberg Westでは、4月3日の番組の冒頭でこの話題を採り上げ、エミリー・チャンがジーン・マンスター氏に話を聞いていた(また、ブライアン・ホワイト氏のほうも「In the Loop」という別のBloombergの番組に登場し、自分の見方を説明していた)。
マンスター氏が登場するBloomberg West
Munster Sees Apple Rising to $1,000 in Two Years
In the Loopに出演したホワイト氏
Apple Stock Has `Tremendous Upside,' White Says
このふたりの話にはそれぞれ傾聴に値する情報が含まれていると思ったが、予想自体に対する評価は読者のみなさんにお任せすることにして、話を先に進めたい(予想の内容を云々できるほどの材料が生憎と手元にないため)。
この日の番組でいちばん面白かった点は、実は他にある——アップル製品の「儲け方」に関するちょっとした情報だ。(次ページ「iPadの利益、発売時と10カ月後を比較してわかること」)
註1:エミリー・チャンの魅力
ウェブ経由でも同じものが観られるのだけれど、たいていは特定の話題だけを切り出した短いものであるため、積極的にアクセスして観る、「すぐに知りたいモノ」しか観ないということになりがち。
それに比べるとテレビ番組の「流し観」は思わぬ「拾いモノ」に出会うといった長所がある。また、とても忙しない同時通訳だとしても、「日本語で聴ける」という長所もある。
ただし、この無料放送のほうは1〜2日遅れで流れるので、自分にとっては仕事の「復習」の意味合いが強い。
註2:二人の金融アナリストのトリビア
ふだんはもっぱら文字で接しているだけの人が喋っていたり、簡単なプロフィールや、さらには本拠地とする街——たとえばジーン・マンスターの場合は、なんとミネアポリス(ミネソタ州)などまでわかってしまうのも、テレビ番組のおもしろいところのひとつだ。