Facebookの創設者が、成り行きがまったく見えない中、非常に誇張された「ソーシャル」への期待に基づいて小売市場から巨大な資金を引き出している一方で、Googleは2012年5月、目立たないうちにコンピュータやスマートフォン、タブレットで利用できる「Knowledge Graph」をスタートさせた。これは次世代の検索機能で、与えられた任意の検索語が持っている文脈上の意味に基づく、異なる検索結果の集合へのリンクに、人気のある関連クエリーに基づく情報を加えたものだ。
Googleは2010年7月に、Metawebと同社の持つ人物、場所、ものからなるエンティティのグラフである「Freebase」を買収した。Freebaseはオープンデータコミュニティの人々によって作られており、このインフラはこの次世代Google検索機能の主要部分を占めている。筆者は2008年8月にこの「Freebase Parallax」検索エンジンについて記事を書いており、この考え方が今ではGoogle検索の中核部分になったのは素晴らしいことだ。
キーワード検索がこれほど大規模なビジネスになって以来、広告業界が注目しているウェブサイトであるSearch Engine Watchには、2012年5月の初めに、Google Knowledge Graphの性格と懸念に関するMiranda Miller氏の客観的で優れた記事が掲載されている。
データと情報が爆発的に増えているこの時代には、2つの大きな弱点がある。情報への到達にかかる時間と、断片化した情報小片の流れをフィルタリングする能力だ。情報が新しいもので次々に上書きされていくタイムライン形式では、一旦多くのコンテンツが作られてしまうと、情報の発見は主に検索に頼らざるを得ない。例えばこの記事に関して言えば、古い記事を探して画面を長々とスクロールさせたりクリックしたりするのが嫌ならば、わたしが2008年に書いたMetawebの記事を見つけるにはGoogle検索に頼ることになる。
Googleは明らかにKnowledge Graphを使ってこの問題を解決しつつあり、特にGoogleがグローバルな広告代理店であることを考えると、これは将来のソーシャルネットワーキング体験に対して大きな影響を与える可能性がある。それがレストランであれ、ウェブサイトであれ、バーであれ、観光地であれ、人間は自分の社会的な居場所を誰が整えているかはあまり気にしない。選択にあたってはファッションが大きな役割を果たし、われわれは新しいものを好む傾向がある。
どんな体験であっても、この急速に変化するデジタル接続社会の中で長い間変わらずにいるという危険を冒すことはできないし、この接続された社会が今後数カ月で大きく変化することは確実であり、もちろんオンラインマーケティングビジネスにも同じことが言える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。