Java EE7最新動向--オラクル、標準技術での開発を訴える

大河原克行 2012年06月29日 19時42分

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 日本オラクルは、エンタープライズ向けJava技術である「Java Enterprise Edition(Java EE)6」および次世代の「Java EE7」に関する最新情報のほか、今年1月に発表したアプリケーションサーバ「Oracle WebLogic Server 12c」の活用事例などについて説明した。

 日本オラクル ソフトウェアライセンス事業 製品事業統括 Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアマネージャーの伊藤敬氏は、「EE7は現在、仕様を策定中だ。EE6をベースにしてクラウド対応を図っていくのが基本的な姿勢となる。一方、Oracle Fusion Middlewareを構成するCloud Application Foundationの中核にあたるのがOracle WebLogic Server。最新版のOracle WebLogic Server 12cは、Java EE6による開発生産性の向上、アプリケーションサーバ上のアプリケーション資産の長期利用、ミッションクリティカルが求める高い信頼性を実現することができる」などとした。

伊藤敬氏
伊藤敬氏
寺田佳央氏
寺田佳央氏

 日本オラクル ソフトウェアライセンス事業 製品事業統括 Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアJavaエバンジェリストの寺田佳央氏は、「EE7は開発および運用の現場を一変させるものになる。だが、開発者にとってEE7導入の備えとして重要になるのがEE6の導入になる」と前置きし、「EE7では、プロビジョニング、Elasticity(伸縮性)、マルチテナンシーの3点が大きな特徴になる」と語った。

 これまでの運用方法では、サーバ管理者がデータベースやメッセージサービス、ディレクトリサービスなどのリソースの準備と設定を行っていたが、EE7ではプログラマや配備者がアプリケーションを配備するだけで、リソースの設定と準備が可能になる。「プログラミング上からのリソースのプロビジョニングも可能になる」とした。

 また、EE6ではマルチノードの実現、マルチインスタンスのクラスタ化を実現していたが、EE7ではさらに動的になり、リソースの使用状況に応じてサービスを増減。自律的なサービスレベルの管理が可能になる。さらに、マルチテナンシーでは、同一アプリケーションをテナントごとに分離。アプリケーションレベルでテナントの識別を可能にするという。

 さらに寺田氏は「EE6の機能性の高さを知ってもらうことで、EE7の機能を最大限に活用してもらえることになる。その点では、EE7の前にEE6を広げていく必要がある。オラクルではパートナーの監修協力を得て、Java EE6関連書籍の出版や教育サービス、コンサルティングサービスを提供していく。また、8月23日には日本でJave EE特別セミナーを開催し、Java EE6およびEE7に関する最新情報を提供、EE6の特徴を訴求していく」とした。

 Java EE6では、EE5に比べてJavaクラス数で25%削減、コード行数では50%削減、XML設定ファイルでは行数が80%削減するといった開発生産性の向上を実現しており、さらにEclipseやJDeveloper、NetBeansなどの主要な開発ツールをサポート。ウェブ開発に必要な技術をすべて搭載するオールインワンパッケージになっていること、起動時間の高速化などを実現しているといった特徴があるとした。

 「日本では33%の開発者がStrutsを活用しているというデータがある。だが、グローバルでは1%台に留まっている。こうした独自技術を利用して開発していたために、独自技術同士の連携に苦労していたものが、EE6では標準技術で開発できるようになる。EE6は、開発生産性の向上や保守性の向上だけでなく、学習コストの低減、移植性の向上、ベンダーロックインのリスク軽減、アプリケーション資産や技術ナレッジの長期保護という点でメリットがあり、EE6への積極的な移行を推奨したい」とした。

  • Java EE7の設計指針

  • 日本では33%がStrutsを活用もグローバルでは1%台

 一方、今年2月から出荷を開始したWebLogic Server 12cについては、日本でも多くのユーザーが導入している事例を示した。

 国内大手金融機関では、開発生産性において課題があったが、WebLogic Server 12cを採用し、EE6で開発。一部では10分の1までコード量が削減される効果があったという。

 また国内大手通信会社では、大規模システムの管理性や問題解決の早期切り分けにおいて課題があったが、WebLogic Serverの独自機能である「JRockit Flight Recorder」を採用することで、問題の可視化と運用管理性を向上。国内大手流通会社では、本番環境における性能劣化の解析に、JRockkit Flight RecorderとJRockit Mission Controlを採用し、安定したシステム運用を実現したという。

 さらに、国内大手運輸会社では、外部向けサービスの運用停止のゼロ化に向けて、WebLogic Serverの独自機能である無停止アプリケーション更新機能を活用。国内大手保険会社では、この機能を利用することで、アプリケーションリリース時の深夜および休日作業を削減することに成功したという。

新井庸介氏
新井庸介氏

 「Oracle WebLogic Server 12cは、Java EE6の実装により、開発生産性の向上や標準技術への準拠といったメリットがあるほか、高速性、拡張性、高い運用管理性を提供することで、企業向けアプリケーションの品質や信頼性をより向上させることができる。企業向けアプリケーションに求められるミッションクリティカルな用途にも適応できる」(日本オラクル ソフトウェアライセンス事業 製品事業統括 Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部担当シニアマネージャーの新井庸介氏)などとした。

 同社では、WebLogic Server 12cの推進に向けて、Oracle Universityやパートナー向け製品セミナー、トレーニングプログラムなどの教育サービス、導入プログラムや他社製サーバからの移行を促進するコンサルティングサービスを展開。開発者に対しては、情報提供サイトを通じたWebLogic Serverに関する事例や技術情報の公開、コミュニティを通じた勉強会、各種イベントの開催などを行っていくとした。

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