大河原克行のエンプラ徒然

鴻海との交渉決裂も視野に入れ始めたシャープ

大河原克行 2012年09月12日 08時00分

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 シャープは、鴻海グループから出資が得られなかった際の経営再建策について、一部検討を行っていることを明らかにした。

 同社では「具体的に想定しているわけではない」としているものの、「2013年度までのP/L、B/S、CFに関して検証を行っており、可能な限りの経費削減や、不要な資産の処分および現金化を検討している。そのなかで、鴻海グループからの出資の時期についても、リスク要因として考慮することが必要だと考えている」とした。

 また、再建策については、シャープが主体となり専門家とともに検証を進めている段階だという。

堺工場の操業率は8割まで回復

 同社によると、2012年度第1四半期の最終損益が1400億の赤字になったのに続き、第2四半期には700億円の赤字、さらに下期には400億の赤字を想定しているが、これにはリストラ費用を含んでいる。「リストラ費用を除けば黒字になる。この部分をさらに検証している段階にあり、さらに銀行からの借入金を圧縮するための自助努力とともに、事業計画の確かさを第三者に検証してもらい、それを銀行に説明する義務がある」などとしている。

 シャープでは、下期に営業黒字化を見込んでいる。SDP(堺ディスプレイプロダクト)の協業が貢献するほか、複写機や白物家電事業、電子デバイスや携帯電話も黒字になると見込む。赤字の液晶事業においても、中小型液晶が黒字化する見込みだという。

 新たな再建策の公表については、検証と修正を繰り返すなかで、必要に応じて公表する姿勢を示す一方、「銀行からの融資に向けて、9月中には結論を出したい」とも語っている。

21世紀型コンビナートを謳う堺工場 21世紀型コンビナートを謳う堺工場
※クリックで拡大画像を表示

 大型液晶パネル生産を行っている堺工場は、第1四半期には操業率が3割にまで下がっていたが、これが今年7月から鴻海グループと共同運営となったことで、鴻海グループからの注文を含め、操業率が8割程度にまで回復したという。

 また、「自力でラインを埋めていく」とする中小型液晶については、IGZO液晶の販売拡大に力を注ぎ、「低消費電力や狭額縁といった特徴を生かし、ウルトラブックなどでの受注を加速したい。だが、今後、OSがこなれる必要とともに画像を駆動するチップが必要であり、2012年第4四半期からすべてが揃うことになる。そこから、ビジネスチャンスが広がる。来期の課題は次世代のPCにおいて、IGZOの特徴を発揮することに尽きる」とした。

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