IDC Japan、2013年の国内IT市場トレンドを予測--“第3のプラットフォーム”が台頭 - (page 2)

大河原克行

2012-12-13 14:49

 中堅中小企業でのSMDの利用が進むとしたが、「企業におけるBYODに関しては、3割の企業がスマートフォンで実施、2割の企業がタブレットで実施しているものの、そのうち3割の企業が黙認した形で導入している“シャドーIT”となっている。このままではセキュリティリスクが発生し、2013年はセキュリティ関連での大きな問題が顕在化する可能性がある」と予測。加えて情報セキュリティ製品市場が2016年まで前年比3~4%増となること、特にモバイルセキュリティ市場は23%増となることを予測した。

 クラウド分野では、金融業界でのパブリッククラウドの利用が拡大すること、新規設計のクラウドネイティブ型のシステム導入が促進される一方、ホステッドプライベートクラウドの主導権争いの激化、ビッグデータをコアとして業種特化型ソリューションの増加などを予測。仮想化、統合化、コスト削減、負荷削減、性能最適化を実現するコンバージドシステムの競合が激化するほか、エンタープライズソーシャルソフトウェアの活用が促進されることなどを示した。

  • コンバージドシステムを巡る競争がサーバベンダーの生き残りを左右する

  • 第2のプラットフォームベンダーによるビッグデータビジネスは苦戦し、IT企業と非IT企業の合従連衡が加速する

  • 企業向けソーシャル技術の活用ターゲットが明確となり競争が始まる

  • オフィス向けIT市場でITベンダーとHCPベンダー間の主導権争いが始まる

 同社は、「2013年 世界IT市場の主要10項目:IDC Predictions 2013」を発表しており、同予測による主要10項目は以下の通りとなった。

  1. 世界IT支出は、第3のプラットフォームと新興国市場がけん引、前年比5.7%増、2.1兆ドル超に
  2. 新興国のIT支出は、前年比8.8%増、7300億ドル
  3. スマートフォンとタブレットを合わせたIT支出額は、世界IT支出増加分の57%を占める
  4. ミニタブレットが市場の急成長を主導、タブレット出荷台数の60%を占める
  5. モバイルソフトウェアにとっては勝敗を決する年に
  6. SaaS技術の買収合戦が過熱
  7. 業種特化型PaaS(Industry as a Service)が台頭
  8. 事業部門トップ(LOB Executives)の役割が増加
  9. 第3のITプラットフォームデータセンターによる市場破壊
  10. ビッグデータへの投資はさらに拡大

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]