サムスンには長い間、何らかの「先を走る競争相手」が存在していた。先行者を熱心に研究していることは、2012年8月の対アップル訴訟での証言からもはっきりと読み取れた。そういう熱心な研究の甲斐あって、ここ十年ほどの間にテクノロジー業界で生じた2つの大きな波にうまく乗ることができた。一つ目は薄型テレビへの移行という波、そして二つ目は携帯電話機からスマートフォンへの移行という波だ。
がむしゃらに走りつづけているうちに、うまく儲かる仕組み(バリューチェーン)も構築でき、他社にはないような新しいコンポーネントを開発できるまでになった。長年続けてきた取り組みのおかげで、Samsungブランドも充分浸透した——。
そんなサムスンが、Fortuneのいう「世界制覇」を果たすためには、いったいどんな要素が欠けているのか。今年はその答えを問われる一年になりそうな気がする。
最近、グーグルCEOのラリー・ペイジが「前人未踏の領域」という言葉を口にしている記事をよく見かけるが、グーグルやアップルとともに、サムスンもまた競合とは別の形でそうしたエリアに足を踏み入れつつあるのかもしれない。
Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookページ、Twitter、RSS、Newsletter(メールマガジン)でも情報を配信しています。