誰もがものごとを先延ばしにしたがる。これは、作業自体が面白くないか、手強いという場合に起こりがちだ。しかしそういった先延ばしが、心配や恐れ、ストレスを引き起こしたり、あるいは予定通りに進捗しないために他の人を不安にさせたりした結果、仕事のパフォーマンスに悪影響を与え始めたら、先送りをやめてその作業に手を付ける時が来たと言えるだろう。
本記事では、ずるずると先延ばしにしてしまう態度を改め、さまざまなメリット(生産性の向上や気分の高揚、ストレスの低減、同僚との人間関係向上、達成感の獲得、職場における「実行力のある人」というイメージの奪回など)を得るための10ステップを解説する。
#1:今の状況を洗い出す
まず、延ばし延ばしにしていた具体的な作業を書き出してほしい。例えば、「顧客の連絡先とメモの情報を新しいファイル共有システムに移行し、ツールやフォルダの利用方法を覚える」といった具合だ。作業を書き出しておけば、先延ばしにしていたことに注力しやすくなる。
#2:潜んでいる感情を特定する
その作業を先延ばしにしている理由は何だろうか?たいていの場合、3つの感情のいずれか(あるいは複数)が関係しているはずだ。上記の作業を例にすると、覚えなければならないさまざまな機能に圧倒されているのかもしれない(恐れ)。あるいは、以前のシステムに何も問題がなかったにもかかわらず、移行を強いられることから来る不快感があるのかもしれない(怒り)。また、自分が技術に精通していないという事実を目の当たりにしたせいかもしれない(悲しみ)。こういった観点に立てば、あなたの腰を重くしている本当の理由、すなわちそこに潜んでいる感情を明らかにできるはずだ。
#3:感情に対処する
悲しみ、怒り、恐れといった感情は、あなたの内にある純粋なエネルギーだと知ることが重要である。「感情」という言葉は、英語ではemotionと綴られる。この言葉は「動き」(motion)に「エネルギー」(e)が付加されたものだ。個人の時間を少し使って、こういった感情を建設的なかたちで表現してみてほしい。悲しみを表現するために泣いてみる、あるいは怒りを解放するために枕を殴ったり、怒鳴りつけたり、足音荒く歩いてみる、あるいは恐れを表すために大げさに震えてみたりすることで、感情を表に出しても構わないと感じるようになるはずだ。このようにしてエネルギーを発散させれば、行き詰まりも感じなくなるだろう。つまりこれは、圧力釜にたまった蒸気を放出するようなものだ。