解禁間近の「ネット選挙」で勝つIT戦略とは--「Obama for America」に学ぶ - (page 2)

大川淳

2013-03-25 19:05

 Obama for Americaでは効果的なソリューションがいくつも開発され、威力を発揮した。例えば「CallTool」は、ボランティアが投票を依頼する電話を自宅から掛け、同じような人生経験を持つボランティアと有権者を結びつけるリモートのアプリケーションだ。このアプリケーションにより、選挙キャンペーンの最後の4日間で数千人のボランティアが数百万件の電話を有権者に掛けたという。

 「米国の選挙は登録が重要だ。未登録だと投票日に選挙に行こうと思っても投票できない。登録をしてもらないと始まらない」(Ward氏)。CallToolは電話をかける相手の選定を手伝ってくれる。これにより電話による投票や寄付の依頼を効率化できたわけだ。

 「Dashboard」は個人やSNS向けのツールで、キャンペーンのためのメッセージが示されたり選挙運動の指標が分かり、ボランティアが陣営の中央本部に行かなくても選挙運動に参加できるようになる。

 「Canvas」は地図を用いてボランティアの活動を効率化するものだ。彼らは、登録や投票依頼のため、個別訪問するわけだが、「同じ家に別々の担当者が訪れるようでは効率が悪い」(同)ため、地図上に訪問済みの家庭を表示し、回るべき家が分かるようにしたことで時間の浪費を防げた。

 また、各州の情勢や特性などを分析し、どの州のどこに集中的に広告を打てば効果的かを分析することで、広告費を数億ドル削減できたという。

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