「クラウド上の新規アプリケーションに既存のオンプレミスアプリケーションを統合する」事例としては、音楽ネット配信サービスを行っている「mora」が紹介された。moraではユーザーサービス、音楽コンテンツ配信をAWSで、商品データや課金システムは既存のオンプレミスシステムを利用するハイブリッドスタイルで利用している。
「既存のアプリケーションをクラウドに移行する」例では、西鉄ストアの本部基幹システムの移行や、タイテックが統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「SAP ERP」をリプレースするにあたり、ハードウェアを刷新しないことを選択してAWS上でERPをリプレースした例を紹介した。
SAPはこの事例からもわかるようにAWSと連携をグローバルで実施している。SAPジャパン代表取締役社長の安斎富太郎氏が登場し、SAPがAWSと連携している理由を紹介した。
SAPジャパン 代表取締役社長 安斎富太郎氏
「AWSはIaaS市場での圧倒的なリーダーであることが理由の一つめ。次にグローバルな対応力を持っていること、三つめに企業文化が近く、補完関係を築けることが挙げられる。タッグを組むことで、エンドユーザーに向けてどれだけ価値を届けることができるのか? ということになるが、それを実現できる関係にある」(安斎氏)
再び登場した長崎氏は「これまで紹介してきた使い方に加え、すべてをクラウドで動かすという顧客も登場している。日本でもスシロー、東急ハンズといった顧客がクラウドを全面選択し、ビジネススピードを上げるという事業変革を成功している」と説明した。
日立製作所 代表執行役 執行役副社長 情報・通信システムグループ長 兼 日立グループCIO 兼 日立グループCISO 岩田眞二郎氏
こうした変革を実現するパートナーとして、日立製作所の代表執行役 執行役副社長で情報・通信システムグループ長 兼 日立グループ最高情報責任者(CIO)兼 日立グループ最高情報セキュリティ責任者(CISO)である岩田眞二郎氏が登場した。
ITの役割が効率化から成功の源泉となるものへと変化し、利用場面としてフロントエンドでの利用が増えているのに伴い「日立としてもクラウドを利用したサービスの提供によりイノベーションを実現。サスティナブルな社会を実現するためにクラウドの活用を進めていきたい」と話した。
最後に長崎氏は「こうした変革を実現するためのクラウドを提供するパートナーをきちんと選定することも重要」として話を締めくくった