Williams氏は会見で、自らがトップに就任した後の日本オラクルについて「素晴らしい形で推移している」とし、冒頭の言葉を続けた後、「未来も明るいと考えている」と胸を張った。ただ、会見を通じて感じたのは、日本オラクルのトップというより、やはり米国本社のEVPのイメージが強いことだ。短期的な人事との見方もあるが、日本オラクルに今、最も必要なのは米国本社との密接な連携ということなのだろう。それを強く感じた会見だった。
「医療分野におけるIoEでは、HoTを推し進めていきたい」 (シスコシステムズ 岩丸宏明 公共・医療担当ソリューションアーキテクト)
シスコシステムズの岩丸宏明 公共・医療担当ソリューションアーキテクト
シスコシステムズが先ごろ、医療業界向けソリューションに関する記者説明会を開いた。同社で公共・医療担当ソリューションアーキテクト兼ビジネスディベロップメントマネージャーを務める岩丸氏の冒頭の発言は、その会見でシスコの医療業界向けソリューションへの取り組みにおける勘所を語ったものである。
シスコでは、これまで結びつきのなかった「ヒト」「プロセス」「データ」「モノ」のすべてをインターネットでつなぎ、新しい価値を創造する「IoE(Internet of Everything)」という考え方を提唱している。特に医療分野では、IoEの中でもM2M(Machine to machine)を中心とした「HoT(Healthcare of Things)」がイノベーションのキーワードになると説明。同社としてHoTを推し進めていく姿勢を鮮明に打ち出した。
岩丸氏によると「医療業界ではHoTを推し進めるべく、医療機器やライフログに関連するベンダー各社がさまざまな技術開発に取り組んでおり、そうして生み出された技術が安全な医療福祉環境に貢献している」という。
シスコにおいても医療機関向けソリューションを「Cisco Connect Healthcare」と銘打ち、医用画像の共有環境を実現して生産性を向上する「Connected Imaging Solutions(医用画像管理)」、遠隔地や物理的な場所を超えてコミュニケーションを図ることができる「Care-at-a-Distance Solutions(遠隔医療・相談)」、ワークフローを最適化して医療従事者間のコミュニケーションや情報共有を向上する「Clinical Workflow Solutions(業務の効率化)」、救急搬送時の救急車とドクター間の情報共有とコミュニケーションを実現する「Emergency Disaster Medical Care(救急・災害医療)」、信頼性および規制遵守を可能にするエンドツーエンドのヘルスケアITインフラソリューションを提供する「Medical Grade Network Foundations(インターネット接続)」といった5つの視点から支援を行っている。
医療分野においてHoTという言葉が定着するかどうかは分からないが、IoEがこの分野に大きなイノベーションをもたらす可能性があるとの認識は高まりつつある。IT分野ではこれまでM2Mに近い「IoT(Internet of Things)」という言葉が広く使われてきたが、ここにきてさらに広範な意味を持つIoEを適用するケースも徐々に増えてきた感がある。IoEを軸にエコシステムを広げたいシスコにとっては、そうした動きを追い風にしたいところだろう。