〔コラテラルは「付帯的な,二次的な」などの意〕
付帯的損害。巻き添え。主に軍事攻撃についていう。爆撃によって目標物の周辺(一般市民)にまで被害が及ぶ場合など。
テクノロジ系ニュースブログの草分け的存在であるGigaOMを立ち上げたOm Malikといえば、競合するTechCrunchやRe/codeあたりからも一目置かれるベテランジャーナリスト。先ごろ「現役引退」とVCへの転身を明らかにした際には、競合媒体の連中からも「お疲れさま」的な記事が出ていたほどの人物で、1990年代前半からRed Herring、Business 2.0といった媒体で活動してきた人間ならではの見方には定評があり、ここ数年はBloomberg TVあたりでコメントしているのを時々見かけることもある。
[Facebook Eliminates Competitor With WhatsApp: Malik]
そんなMalikが先ごろ、Fast Companyにちょっと面白い記事を寄稿していた(現役引退発表の記事の中で「自分にとってモノを書くことは生きることを意味する。モノを書いてきたおかげで自分の人生は特別なものになった」という村上春樹のコメントを引用していたくらいだから、24時間付きっきりを求められる現場を離れたにしても、記事を書くのをやめたりはしないのだろう)。
「自分の運命を支配する者たち(“Masters of Their Own Destiny”)」という見出しのこの記事の中で、MalikはApple、Facebook、Google、Amazonなどを引き合いに出しながら「(AppleのA7プロセッサは)われわれが生きる、いつでもネットにつながった世界(“always-connected world”)での新しい現実を見事に示すもの…。その現実とは、あらゆる市場で大変動の機が熟しており、競争相手がどこからともなく登場する可能性がある、そして今日の顧客が明日には自分たちを突き落とす存在に変わることだって十分にある」と書いている。
さらに、この記事の結論として「今の時代に採るべき戦略はシンプルだ。素早く動くためには(よそから)買ってこれないものは自分たちで作らなくてはならない。さもないと、自分の運命をコントールする力を失って、Palm、Motorola、HTCのようになってしまう」といった考えを述べている。
Malikがここで「買えないもの」の例として挙げているのは、AppleにとってのiOS端末用プロセッサやFacebookのデータセンターで稼働するサーバやストレージ、ソフトウェアツール類など。