垂直統合ではなくオープン
同社のHPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 統括本部長の橘一徳氏は、IT運用コストの内訳の変動について、2000年にサーバ購入コストが62%、運用コストが38%という比率だったが、2005年には、運用コストが51%となり、2013年は運用コストが68%に達していると指摘する。

日本HP HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏

日本HP HPサーバー事業統括本部 エンタープライズサーバー製品部 中井大士氏
「HPの開発哲学は、顧客の課題に対応した製品を届けること。ITシステムの複雑化と運用管理コストの肥大化が、最近の企業が悩んでいる点だ。ITシステムの複雑化への回答がConvergedSystemであり、運用管理コストの肥大化に対する解決策がCloudSystemだ」(橘氏)
同社は、モビリティ、クラウド、ソーシャル、ビッグデータの4つが、「New Style of IT」の潮流を引き起こし、社会全体を変革しているとの見解を打ち出している。橘氏は「New Style of ITの時代が到来しており、レガシーから新しいITへと移行する時期に来ている」と新製品の意義を説明した。
HPサーバー事業統括本部 エンタープライズサーバー製品部の中井大士氏は「統合システムも次の段階へと進まなければならない。今後は、迅速性がさらに重視される。サポートまでをワンステップで対応でき、すべてのコンポーネントを保有しているHPだからこそスピードに対する需要に応えられる」と話す。
同社は、2009年11月に初めて垂直統合型システム製品「HP BladeSystem Matrix」を発表しており、現在までに全世界で2500ユニット以上、アジア地域でも1000ユニット以上の導入実績があるという。
橘氏は「ConvergedSystemは、ハードウェアプラットフォームというより、その上のミドルウェアやアプリケーションにフォーカスしている。x86(サーバ)や標準化された技術を基盤にしており、垂直統合という言葉は使っていない。この製品がベンダーロックインになるとは考えていない」と語り、今回の製品戦略がオープンな発想を機軸にしていることを強調した。