Java SE 8提供開始--IoT基盤の開発やセキュリティの統一が重要 - (page 2)

谷川耕一

2014-04-24 07:30

 Wi-FiやBluetoothなど、Connective Moduleのマーケットシェアでトップの村田製作所では、このJava ME Embedded 8を利用したIoTへの取り組みを開始する。村田製作所 通信事業本部 コネクティビティ商品事業部 ソリューションサービス部 ソフトウェア開発室 係長の芦谷浩司氏は「クライアントとクラウドの技術者には、今は隔絶がある。そこを融合できれば、新しいソリューションを提案できる」と言う。このクライアントとクラウドの融合で活躍するのがJava ME Embeddedだ。

 今後は、これまで無線制御が難しかった家電製品などにも無線機能を提供するようになる。これに対応するために村田製作所では、従来のWi-FiモジュールとCPUを一体化した「WLAN Smart Module」を提供している。

芦谷浩司氏
村田製作所 通信事業本部 コネクティビティー商品事業部 ソリューションサービス部 ソフトウェア開発室 係長 芦谷浩司氏

 WLAN Smart Moduleについて芦谷氏は、TCP/IPスタックなど通信に必要な機能を備えソフトウェアもCPUに内蔵できるIoTに最適なモジュールだと説明する。現状はこれで小型化し、ハードウェアコストを抑制できるため、多くの機器にも採用されている。とはいえ、これはCPUとOSに依存した開発環境となっており、クラウドとの分断がある。機能の制約もあり、高機能化にも課題がある。

 芦谷氏は「今後の適用範囲拡大に向けては、新たな発展が必要だと考える」と語る。より高性能、高機能なIoTの要求に応えるためのWLAN Smart Moduleには、Java ME Embedded 8をソフトウェアプラットフォームとして搭載する。これにより汎用性の高いIoTプラットフォームとして新たに位置付ける。今後順次対応を進め2014年第3四半期(7~9月)までにJava ME Embedded 8を搭載したシステム構成を提案できるようにし、第4四半期(10~12月)には製品化する方針だ。

 Java ME Embedded 8は、Java ME SDK 8とともに米国時間4月30日から提供を開始する。7~9月にはJava ME Embedded 8.0.1を、10~12月にはマイナーバージョンアップとなるJava ME Embedded 8.1を提供して、フットプリントをさらに最小化する予定だ。2015年前半にはJava ME Embedded 8.2のリリースが予定されており、速いペースでの進化が計画されている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

マイナンバーカードの利用状況を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]