ラグド端末の登場
こうした、いわゆるフィールドワークにスマートデバイスを導入できるようになったのは、堅牢性の高いスマートデバイス(ラグド端末)が登場したことによるところが大きい。いま、世界でも数多くのラグド端末がリリースされている。もちろん日系メーカーも例外ではない。
ラグドデバイスの位置づけ
図はラグド端末の位置付けを整理した一例であるが、1つは、堅牢性の度合いの高さ、もう一方は、モビリティ(持ち運びの容易さ)の高さという軸で整理する。ラグド端末といってもPCのように一度設置してしまえば、それほど移動させない半固定型のものもあれば、タブレット、スマートフォンのように常に携行できるデバイスなどさまざまだが、右上の部分(Zone A)は近年特に注目を集める領域となっている。
専用ラグド端末は必須か
この整理軸のなかで、専用に開発されたラグド端末と比較すると堅牢性は低くなるが、いわゆる“ライトラグド”と言われる分野に注目したい。これは、タブレットやスマートフォンにケースや防水カバー、ディスプレイコーティングのフィルムなどを装着するタイプだ。
実際に、eコマースサイトで、防水や耐衝撃に長けたカバーやコーティングフィルムを検索してみるとたやすく検索でき、かつ安価にこの種のパーツを購入することもできる。
毎年、Deloitteが発行している「TMT Prediction」の2014年版にはこのラグド端末についての予測が取り上げられている。これまで一部のフィールドワーカーのみに与えられてきたラグド端末は、より多くのフィールドワーカーたちの手に渡ることになると予測している。高耐久性の端末の価格は250ドルまで下がり、企業もコンシューマー自身も購入しやすくなるからだ。
しかし、ここで注意深く読まねばならないのは、「高耐久性」端末とは防水、防塵、防衝撃機能を備えた別売りのケースやカバーを購入で実現できる端末を意図している点だ。また、リサーチのなかで、「屋外労働者は長年、トランシーバーやPDA など非常に堅牢なラグド端末でデータ入力してきた...(中略) しかし、すべての屋外労働に、同等レベルの堅牢性が求められるわけではない」とある。 筆者自身もこの意見に異論はない。